個性的

この前入ったカフェで、後からいい感じのお客さんが入ってきた。ひとしきりお店の人と情報交換をした後、最近見つけた美味しいソーセージ屋さんがあるという話が耳に飛び込んできた。なんでも美味しいけど、コンビーフはご飯にも合うし、お酒にも合うし、とにかく虜なの、とのこと。なんてすごい力説ぶり。思わず聞き耳を立ててしまった。そのお店に行ってみたい。

というのも、その日はハムを買って帰る予定にしていたのだ。家にきゅうりがたくさんあって、きゅうりとハムのサンドイッチにして食べたかったからだ。ちょうど良かった。

会計をするときには、もうそのお客さんたちはいなくなっていたけど、お店の人に、これから行ってみる!といって店を出た。

30分ほど車で走ったら、その店に着いた。勢いよくお店に入ったけど、お店の人が見当たらない。でも、奥から話し声が盛大に聞こえていた。誰かとお話をされているみたいだった。

声をかけると、奥からひょいと出てきてくれた。サンドイッチにしたいから、ハムならどれがいいか相談していたら、どんどん試食させてくれた。ショーケースの中には、見たこともないような種類の美味しそうなソーセージやハムがずらり並んでいた。スパイス?香辛料?の香りが華やかですごく美味しい。噂のとおり。全て量り売り。初めて来たの?なんで知ったの?それで来るなんてあなたも変わっているわよね。軽快な話し方をする人だった。どのくらいいるかとかは聞かれなくて、どんどん話しながらその人が決めてくれる。買う予定ではなかったものも、面白くて買ってみた。

ワンダーランド。ここはイタリアか。

どのようなものを作りたいか、すごく明確な目的に沿って創られた代物だった。ブレがどこにも見当たらない。食べてみると、すごく幸せな気持ちになれた。

できるだけ自分でいようとしたら、個性的にならざるをえないのだな。そこを突き抜ける勇気はまだ十分はないけれども。個性を発揮している人に憧れる。


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