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カリグラフィー用のペン先(ニブ nib)

カリグラフィー用のペン先(nib ニブ)で、カッパープレート以外の書体を書くためのブロードエッジドペン broad-edged pen という幅広タイプのもので代表的なものを紹介します。

慣れない内は違いなどほとんど感じない(判らない)ですが、熟達するに連れて結構書き味やコントロールのしやすさなどの差を感じるようになるので、色々試してみるのは大事です。価格は200円ぐらいとかなのでトライしやすいですが、サイズ1mm以下のものは線の抑揚はほとんど出ないので、あんまり試す意味は無いかも(笑)。

ちなみに日本や中国の書道用の筆は高いものだと数万とか、中にはもっとすごいものもあるらしいですが、カリグラフィー用のニブはどんな達人でもここで紹介してるものか、それと同等品を使ってます。


Speedball(スピードボール)

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アメリカ製のニブ。プラスティックの安いホルダーとセットで売られている事が多く、日本では比較的入手しやすいものです。固さは普通。レゼボア(reservoir インク溜め)は標準装備。ペン先は普通2つに割れてますが、これは珍しく3つに割れています。

Brause(ブラウゼ)

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ドイツ製のニブ。先が斜めにカットされてるオブリークタイプで、ペン先の角度を水平近くにする必要があるタイプの書体(アンシャルなど)が書きやすくなっています。スピードボールやミッチェルに比べて固め。レゼボアはニブの上側に標準装備されています。

William Mitchell(ミッチェル)

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英国製のニブ。なぜか「ウィリアム」の部分は省略され、「ミッチェル」としか呼ばれません(笑)。ここで紹介するものの中では一番柔らかでしなやかです。レゼボアは別売りで、それをニブに嵌めて使用します。

Manuscript(マニュスクリプト)

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英国のあまり知られていないメーカーですが、私はここの Leonardt Tape というニブがお気に入りです。ブラウゼと似た使い勝手ですが、なんかこっちがいいような気がします(※個人の感想です)。ちなみに同メーカーの Leonardt Roundhand はミッチェルによく似ています。Leonardt Italic は厚みがあって硬く、さらにレゼボアがないためインク保持力が弱く、まあ書きづらいです。正直あまりお薦めしません。

タチカワ

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マンガの世界で標準のGペンを作っている立川ピン製作所は、あまり知られていませんがカリグラフィー用のニブも作っています。A、B、C と3タイプありますが、通常のカリグラフィーに使うのは C タイプです。海外製に比べ、かっちりした作りです。さすが日本製。

Automatic Pen(オートマチックペン)

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英国製の極太ペン。これはちょっと特殊で、ペン先だけではなくホルダーと一体型(分離不可)のペンです。サイズが最大で1インチ(25.4mm)もあり、かなり大きな字が書けます。7~10番は二股になったダブルライン用。他5本線が書ける0.5インチサイズがあり、こちらは本来、五線譜を書くためのものだったらしいです。

ちなみになぜ「オートマチック」というかというと、このペンが生まれた100年ほど前、当時の尖った(ポインテッド)ニブでは細い線しか書けず、太い線を書くには輪郭を書いて塗りつぶすしか方法がありませんでした。この手間のかかる作業を「自動的に」やってくれるペンということで、こういう名前がついています。

Pratikpen(プラティックペン)

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トルコ製の、上述したオートマチックペンと似たペンですが、こちらの方がバリエーションが豊富です。通常のもののほか、画像のように先の割れ方が様々なものがあり、いろんな表情の線が書けます。ショップではアラビア文字用のペンも扱ってます。

入手方法

スピードボールは Amazon にもありますが、その他のニブはちょっと売ってません。あちこちの専門店で取り扱ってますので、普通に Google などで検索した方があっさり見つかると思います。一応2件ほどリンクを貼っておきます。

※プラティックペンは国内に取り扱いがないので、Etsy で直接購入してください。英語でやり取りできます。

手入れ方法

基本的に消耗品ですが、先が鈍くなってシャープな線が出なくなったら、研いで蘇らせる事も可能です。John Neal Bookseller には、ペン先用の小さな手のひらサイズの砥石も売られています。研ぎ方の簡単なマニュアルも付属してます。

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あと新品は油がついていることがありインクがつきにくいため、布やティッシュで拭うか、もしくは石鹸で洗ってください(使い古しの歯ブラシが重宝します)。従来は火で炙るのが常套手段でしたが、正直よくないのでやめてほしいとのことです。

カフェラテおごってください。