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カリグラフィー

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自分の書いた記事の中で、カリグラフィーに関するものをまとめています。
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初心者のためのカリグラフィーの始め方

カリグラフィー calligraphy ってご存知でしょうか? というか、この記事をご覧になっている人は多少興味があって調べた結果ここにたどり着いていると思いますので愚問でしょうが(笑)、簡単に言うとアルファベット(ラテン文字)の書道です。かのスティーブ・ジョブズも大学で学んで書体に対して目が肥えたため、 質のいいフォントが Mac に搭載されることになったとか。 あちこちで見かける流麗なアルファベットを見て、「どうやって書いてるの?」「どこで学べるの?」と思っている方々に

モダンカリグラフィーに似合いそうなテイストの植物イラスト

カリグラフィー作品を制作する場合、もちろん文字だけで構成もしますが、イラストなどを添える事もあります。中世の装飾写本を見ると、植物を模したイニシャルやボーダーなどの他、内容を表したイラストや、内容とは関係ない奇っ怪な妖怪などが描かれていたりします。 対して、現代のトラディショナルなカリグラフィー作品はこんな感じ。 うん。まあ似合ってます。 が。 ……現在のセンスで見るとちょっと古いと言うか、オカンくさいですよね(笑)。リアルめなボタニカルアートなどを添えると、主婦の趣

ドイツの小さなカリグラフィー折本

Facebook 上で友達として繋がっているドイツのカリグラファー、Katharina Ostenda さんが、2021年の2月に以下のような投稿をされました。 ここで紹介されてる折本に一目惚れをし、早速タイトルを頼りに古書マーケットの AbeBooks で探したところ、1件だけヒットしました。しかも7冊セットだったので、一も二もなくすぐに注文して入手しました。 日本でいう文庫本サイズの薄い折本で、ドイツ語なのでよく分からず最初はカリグラフィックな書体を用いた写植印刷だと

パイロットのパラレルペンがリニューアル

我が日本が誇る、国内外のカリグラファーに御用達のペンであるパイロットのパラレルペンがリニューアルしてました。 以前は軸の色がグレーだったんですが、ほぼ白のアイボリーになり、またサイズに 3.0mm と 4.5mm が追加され、これで 1.5, 2.4, 3.0, 3.8, 4.5, 6.0 の6種類となりました。 これでさらに表現の幅が広がりました。あと私は知らなかったんですけど、これパイロットの万年筆用のコンバーターが使用できるようです。なので、12色ある専用のカートリ

カリグラフィーで何を書くか題材選びに困っている人たちへ

カリグラフィー(西洋書道)をやっていく上で、ぶつかってしまう大きな壁があります。技術的な壁は当然ありますが、それとは別のもの。それを乗り越えたその先に、自在に文字が書けるようになってから迫り来る巨大な壁。 そう、何を書くか。です。 日本人である我々には非常に厳しい、ウォールマリアなんか目じゃないほどの『言語』という巨大な壁。同じ壁にぶつかっている方々のために、この note があなたの立体機動装置とならんことを祈ります。 * 外国語と日本語が併記されている本から探すま

オブリークペンホルダーあれこれ

カリグラフィーに使うペンホルダー(ペン軸)は大量生産のメーカー製が普通ですが、世界にはホルダーを自作して販売している個人作家や小規模ショップがあり、中でもカッパープレート copperplate script やモダンスクリプト modern script で用いるオブリークペンホルダー oblique pen holder と呼ばれるものを制作しているところが多いです。なぜなのかは不明ですが、やはり見た目が変わってて創作意欲を掻き立てるのかもしれません。 その魅力的なホル

[DIY] カリグラフィー用傾斜台を自作する(マンガ・イラスト等にも)

カリグラフィー calligraphy は平らな机では書きにくく、傾斜のある台が必要になるのですが、これが困ったことにそこらの画材屋さんでは売ってません。もちろんカリグラフィー用具を取り扱う専門店にはありますが、思ったよりも結構高く、かつ大きいので遠方だと送料もかかったりします。 なので、宮大工の孫でもある私は、これを自作しました。もう2007年の話なのですが、製作方法をブログで公開したところ、今でも結構なアクセスがあるので、ブログを閉鎖するにあたり、こちらに転載しておきま

2019年の12月は毎日カリグラフィーを書いていました。

2019年、英国のダイアミン Diamine というインクメーカーから、アドベントカレンダーを模したインクベントカレンダー The Inkvent Calendar という、25種のインクが少量ずつカレンダーに収められたものが発売されました。 かなりの人気商品で一瞬で売り切れましたが、私は運良く入手できましたので、12月に入ったら1日ずつカレンダーを開けて、そのインクを使って毎日カリグラフィー作品を SNS にアップしてました。それを一気にこちらの note にも掲載したい

モダンカリグラフィー(またはモダンスクリプト)

最近はこんな書体が流行っています。 ここ10年ぐらいでしょうか、こういった決まった字形のないゆるくてカジュアルな書体が世界中で流行っており、モダンカリグラフィー modern calligraphy もしくはモダンスクリプト modern script と呼ばれています。今はもう「カリグラフィー」というとこの書体のことだ、と世間では思われてすらいます。 元はカッパープレート copperplate と呼ばれる書体を崩したものだと思います。カッパープレートは上級者向けの難し

筆ペン・ルーリングペン・コーラペンでのカリグラフィー

20世紀初頭にカリグラフィーが復興して以来、スタンダードなカリグラフィーペン(ブロードエッジド・ポインテッド)以外のペンを使って作品を作る作家が登場してきました。彼らがどういった道具を使ってるのかを紹介したいと思います。 ▼スタンダードなペンはこちら 筆ペン Brush pen古くから丸筆でスクリプトを書く(ブラッシュスクリプト brush script という)方法はあったようですが、1972年に日本で筆ペンが開発され世界中に普及すると、より一般的になったようです。

カリグラフィーは独学できるか

ちょいちょい「カリグラフィー+独学」で検索して私のサイトに辿り着いてる方がいるようなので、この記事を書きました。2020年現在でも結構なアクセスがあるので、note へ転載します。 果たして独学できるのか私はほぼ独学なんですが、できるのかどうか時々聞かれます。いきなり結論を言ってしまいますと、 できるかどうかは本人次第 でしかないです(笑)。カリグラフィーに限らず、絵画でも空手でも動画編集でもプログラミングでも、およそすべての技芸が独学できるかどうかは、本人がやるかどう

カリグラフィー用のペン先(ニブ nib)

カリグラフィー用のペン先(nib ニブ)で、カッパープレート以外の書体を書くためのブロードエッジドペン broad-edged pen という幅広タイプのもので代表的なものを紹介します。 慣れない内は違いなどほとんど感じない(判らない)ですが、熟達するに連れて結構書き味やコントロールのしやすさなどの差を感じるようになるので、色々試してみるのは大事です。価格は200円ぐらいとかなのでトライしやすいですが、サイズ1mm以下のものは線の抑揚はほとんど出ないので、あんまり試す意味は

左利きの人がカリグラフィーを書く方法

洋の東西を問わず、文字の書き方は基本的に右利き用にできています。これは一説には全人類の9割近くが右利きであるという事によるものですが、少数派とはいえ当然ながら左利きの人がいます。彼らだってカリグラフィーに興味を持ったりすることはあるでしょう。ですが、筆や鉛筆などと違い、カリグラフィーはペンからして右利き用に作られており、そのままではかなり書きづらくなっています。 しかしご安心ください。人間には創意工夫をする頭脳というものが備わっており、左利きの人がカリグラフィーをする方法も

オススメのカリグラフィー関連洋書

カリグラフィーは欧米の文化なので、当然ながら和書よりも洋書の方が数が圧倒的に多いです。が、多いということは当たり外れも結構あるので、どれを買っていいのか分からないという人に向けて、手持ちのものからいくつかオススメを紹介したいと思います。 ▼和書についてはこちらの note をご覧ください。 英語(その他外国語)解んないんだけど買うの?いいんです買いなさい。私だって大して読めてません(笑)。読めなくても、本場の達人たちの作品を目に焼き付けてください。それも上達への近道です。