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七つの会議

池井戸潤の『七つの会議』を読んだ。はじめての池井戸作品である。

2年ほど前の映画は元カレと見に行った。解散して帰宅したときに、LINEでふみちゃんどう思った?と聞かれたのが懐かしい。

私はスカッとした、と伝えた。映画では八角と原島、浜本のスカッとジャパンみたいな感じだったように思う。しかし彼は、そうかな、俺悲しくなったんだけど。違うみたいだね(ニュアンス)。と、お互いの感想を共有するのではなく、否定されたように感じたことが懐かしい。その後違うことですぐに別れた。

と、そんなことは置いておいて。懐かしくなり、先日ブックオフで見かけ手に取った。読み始めて、ん?原島そういうタイプだったのか?

劇中の原島はなんとも弱弱しくて、会社のため社会のためというより、自分の好奇心の赴くがまま行動してたら発見しちゃった★みたいな印象を受けていた。

それがなんとまあ、普通に怒るし、ていうか隠ぺいに参加してるし、普通のサラリーマン感がすごい。

それに映画だと、「七つの会議」というタイトルははてな、という感じであったが、小説だと群像劇で、それぞれの戦いという感じがして、タイトルにしっくり来た。

そして冒頭の元彼の話に戻るが、小説だと、スカッとジャパンじゃなくて、まさしく彼の言うとおり悲しい気持ちがあった。

正義の為にはリコール、だけどそれぞれの社員に家族がいて、リコールしたら、社員は?家族は?、第三者視点で見ればなんでリコールしないのか、表明しないのか、けどそれぞれに家族がいてと考えたらなんだか複雑な気分になった。悲しいというか、やるせないような、

家族もそうだけど、権力に取り憑かれている大人の姿とか、、、この世には正義、正論で片付けられないものがたくさんあるんだなと思った。

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