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税理士試験の合格体験がもたらしてくれた財産

私が税理士試験に合格したのは2011年ですのでかなり前のことになってしまいましたが、社会に出てからチャレンジした経験は私にとってその経験自体も大きな財産となりました。当時の受験生活について振り返ってみたいと思います。 


税理士試験について


税理士試験は毎年8月。年1回。今年も先日試験が終了しましたね。
受験された方お疲れさまでした。

税理士試験は13科目ある試験科目のうち5科目に合格する必要があります。

一回で全て合格する必要はなく、科目を積み上げていくことが出来ます。

5科目合格+2年間の実務経験で税理士登録が可能。(その他の条件で税理士登録される方もいます)

会計科目2科目、税法科目3科目の合計5科目を合格することによって税理士試験合格者となることが出来ます。 

会計科目

会計科目は財務諸表論と簿記論。税理士になりたい人以外にも簿記検定や他資格を目指す延長線上の受験者もいるため、母数が多めです。税理士資格を取得した人の多くは、この2科目をまず学び税法科目の勉強に移ります。

税理士への入門とも言える科目ですが試験範囲は広いですし、合格率も各科目15%前後と難関です。特に簿記論の計算問題はとても難しく、私が合格した時の合格ボーダーラインは40点くらいだったと思います。半分も回答できなくても合格できるくらい問題のレベルが高いので、どれだけ基礎の問題を取りこぼさないで得点するかも大切です。

税法科目

会計科目に合格した後は、税法科目の受験へ。税法の受験科目は選択制で、9科目のうち3科目の合格が必要です。そしてその中に法人税法又は所得税法の1科目を必ず含まなければなりません。私は法人税法と相続税法と事業税を受験しました。

税法は計算問題も難解ですが、理論問題に解答するために受験科目の法律をほとんど暗記のように覚えておかなければなりません。3科目とも予備校の理論集のすべてを暗記しました。自習室で耳栓をして、頭の中で一言一句思い出しながら瞑想状態のように過ごしました。飽きてきたら計算問題に切り替えるといった小さなメリハリをつけていました。 

受験期間をどのように過ごすか


どの科目にも通じることですが、どれだけ勉強しても本番の試験ではみたことがない問題が並ぶので、そのことに慌てず焦らずに、落ち着いて基礎的な問題に確実に全て回答すること、プラスアルファでどこまで点数を伸ばしていけるか。合格ボーダーライン上に多くの人が集まっています。そこからわずか数点突き抜けることさえできれば突破することが出来るのです。

毎年8月が試験で合格発表はおよそ4ヶ月後。予備校は通常9月から受講がスタートします。カリキュラムは色々ありますが、私のおすすめは年内で一通り学習内容を勉強して、年明け1月から合格発表の結果再受験となった人が合流する上級コースで学ぶことです。1月から模擬試験に頻繁に触れることが出来ますし、早いうちに全体が見通せることによって自分の苦手な部分を認識して克服する時間を作ることが出来ます。

受験はモチベーション維持が大切

数点突き抜けるための努力をどれだけ出来るか。

税理士試験は長期戦です。働きながら合格を目指す人の合格までの年数は平均9年とも言われています。短期的な集中力だけで乗り越えられるものではありません。

日々の積み重ねのルーティンでミスをなくし、回答できる問題に100%完璧に回答する。予備校で出題された問題は難問も全て見直しました。

試験本番で緊張しないように、例え隣人の電卓音が大きすぎても動揺しないように笑、模擬試験も本番と思って挑む。集中力の高め方やメンタルの鍛え方まで大袈裟ですがアスリートの振る舞いを参考に自分を鍛えていきました。

勉強仲間も作りませんでした。気持ちが緩むと思ったからです。分からないことは全て資格の予備校TACの講師に質問していました。TACに毎日通いました。授業のない日は自習室で集中できる席を確保するために朝校舎が開く前に並んで開いたら真っ先に席を取りに行きました。予備校の模擬試験では全国10位以内の得点を取るほど打ち込みました。


当時現役の野球選手であったイチローさんは受験期間の心のメンターでした。
ルーティンを大事にすること、練習から本番のように過ごすこと、その日の結果が良くても悪くても一喜一憂しないことなど。イチローさんの経験から発せられる名言に励まされました。通学中や休憩中にイチローさんの成功法則について書かれた本を繰り返し読むことでモチベーションを上げていました。今でもその本は大事に持っています。

税理士試験は合格率が低く難易度の高い資格となっていますが、絶対合格したいというメンタルが大きく影響するように思います。 

私は会社を退職して受験をしたので、「ここで合格できなかったら何者にもなれない」という崖っぷちな気持ちが本気度を高めたと思います。何より長期間に及ぶ受験期間に目的意識を強く持って毎日を過ごすためのマインドを作ることが一番重要です。これを体得して資格という形で一定の基準が与えられたことが自分の内の大きな財産となりました。


今でも、このとき一つのことに向き合って打ち込んだ経験が人生を変え、大きく成長させてくれたと思っています。

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