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映画「パルプ・フィクション」鑑賞後はハンバーガーとスプライト

正月休み中、夫に「結局、一番好きな映画って何なの?」と聞かれた際、咄嗟に口からでた作品の1つが、クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」だった。

たしかに、普段DVDは買わないのに、これはずっと大切に持っている。それに、大学3年生の時に池袋にある映画館「新文芸坐」まで、自転車で深夜上映に行ったことがある。この時は、「ジャッキー・ブラウン」との2本立てだったような気がする。思い返すと、あの夜は最高だった。
2年前、2019年の冬にも、TOHO シネマの「朝10時の映画祭」でリバイバル上映されたので、夫を無理やり連れて観に行った。

やはり10数年をまたがって鑑賞機会のある映画には、自然と思い入れが強くなってしまう。

パルプ・フィクション 

1994年 アメリカ

監督/脚本 クエンティン・タランティーノ

出演 ジョン・トラボルタ サミュエル・L・ジャクソン ユマ・サーマン ブルース・ウィリス 他

受賞歴:94年 アカデミー脚本賞 / カンヌ映画祭 パルム・ドール


タイトルの「パルプ・フィクション」は、1930年から1940年代にアメリカで流行った短編犯罪小説が掲載された大衆向け雑誌(パルプ・マガジン)のオマージュからつけられているそうだ。

「くだらない話」「意味のない話」というような意味だ。

もっと感動した映画も、もっと素晴らしい映画も、たくさんあるはずなのに(タランティーノに大変失礼)、私の脳内には、パルプフィクションの中の多くのくだらない映像やくだらないセリフが妙に刻まれていて、いつも思い出すだけで思わず顔がほころんでしまう。いやむしろ、踊りだしたくなるかぐらいもしれない。


パルプフィクションを観た後には、かならずチーズバーガーをスプライト片手に食べたくなる。(2019年の鑑賞後には本当に食べた)


この映画を初めて観た大学1年生のときには、ユマ・サーマンに憧れて、髪の毛を黒色にしてボブに整えた。


いつか自分が妊娠した時が来たら、「丸いおなかって、セクシーじゃない?」というセリフを言ってみたいと思ったこともある。


私はギャングではないけれど(当たり前だ)、サミュエル・L・ジャクソンと、ジョン・トラボルタみたいに、アメリカのクラシックカーに乗って、Kool&The Gangの「Jungle Boogie」を流しながら、最高に意味のない会話をしたい。


朝からアメリカンダイナーみたいなところで、ギャルソンに入れてもらったコーヒーと、甘いパンケーキも食べてみたい。


それに、私の中での永遠のミューズは、このパルプフィクションに登場する「ファビアン」だ。

ブルース・ウィリス演じるブッチの彼女という役どころ。「丸いおなかがセクシー」と思っているのもこの彼女。
愛車はホンダ。全部かわいい。


タランティーノ監督の映画は、いつだって、映画への愛を感じずにはいられない。

映画に疲れたときや、最近イマイチ心が動かないなと思うとき、パルプフィクションのような映画を観ると、不思議とピュアな映画好きだったころの自分を思い出させてくれる。

(正直かなり下品でやばいシーンも多いのだが、なぜか許せてしまう)

くだらない話だとはいえ、意味がないようで、実はある、と思わせる演出やセリフ、シーンなども緻密に散りばめられていて、そういうセンスと、彼のオタク気質な作家性にとても惹かれる。


それに、フィルムで撮られたこの映画は(タランティーノはフィルム撮影に今でもこだわっている)、少し霞んでいてレトロな色合いとアメリカの独特な渇いた空気感、みたいなものがあり、そういうトーン&マナーも含めて、最高にかっこいい。

そんなことを書いていたら、久しぶりにこの世界に浸りたくなってきた。

週末は、ハンバーガーかなー。

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