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新しい暮らしの中で、いかに”セレンディピティ”(素敵な出会い)に巡り合うかについて

英語で好きな言葉に、 serendipity (セレンディピティ)=偶然の素敵な出会い という単語がある。

意味はざっとこんな具合だ。

セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

先日のお休みに、突然蕎麦を食べたくなり、夫と二人で少し街へ出かけた。
こんな時期だし蕎麦屋の他にはよらずに、そのまま帰宅しようかとも思っていたが、駐車場からお店の間の商店街を歩いていると、興味を引くインテリア雑貨屋があり入ることにした。

トルコやアフガンなどの絨毯やクッションなどを輸入販売しているお店だ。ちょうど、私たち夫婦はモロッコラグ「ベニワレン」を購入したばかりで、
それにあうクッションカバーや小物をネットで探していたところだった。
偶然に入ったお店では気さくなオーナーが出迎えてくれ、またセンス良く、質の良い製品が非常にきれいに売られていた。ここのところ、ネットショッピングばかりで買い物を済ませていた私たち二人は、急激にテンションが上がってしまった。

結局、ヴィンテージのトルコの絨毯をリユースしているというクッションカバーを2つ、持ち帰ることにした。さらに、自分たちが、これまでしらなかった絨毯やラグのあれこれ、について、お店の方が丁寧に教えてくれた。次もまた絶対ここで何か買い物をしようと決めた。

「蕎麦を食べに来ただけ」の休日のつもりが、「ずっと探していたお気に入りのクッションに出会うことができ、次にほしいと思う絨毯にも出会えた素晴らしい休日」に変わった。かなりありふれた日常なのだろうが、私にとっては何カ月ぶりに感じた幸福感だった。

今回は、モノとの出会いだったが、日常を過ごしていると様々なセレンディピティに遭遇する。特に、旅に出たとき、目的もなく出かけたとき、出張先、仕事の客先、レストランなどなど。実は様々なシーンで、素晴らしい偶然の出会いや発見があり、それこそが、人生を豊かにしているのではないかと、感じている。

ここ最近はどうだっただろうか、と考えたとき、コロナ渦により、ずいぶんそれが減ってしまっていたことに気が付いた。

買い物はといえば必要なものを目的をもって最小限の行動ですます。旅は出来る限り人に接しない形にする。様々な調査やコミュニケーションはオンライン上で完結する。いま私たちに必要とされているこうした行動ではなかなかこのセレンディピティを感じることが少ないと感じる。
私は以前よくひとり旅をしていたのだが、ひとり旅の醍醐味もまさにそうだ。

これから先、今以上に、リアルでの経験が、オンライン上での経験へと移行していくのは間違いないと思う。

だがその中でいかにして、「セレンディピティ」的体験ができるか、がとても重要なのかもしれない、と休日の出来事を通して強く感じている。

ちなみに、私は10年以上EC(イーコマース)とウェブ業界をうろうろしているが、自分にとって重要な買い物や体験はほとんどリアル(店舗)でしている。

それはやはり信頼しているお店の人から、であったり、今回のような素晴らしい出会いの経験こそが買い物の楽しさだと思っているからだ。

本当に観たいと思う映画を、ストリーミングで観るのではなく、わざわざ映画館へ出向くのも同様だ。

自分のことだけで言えば、新しい暮らし方を受容しながら、いかにして体験としての幸福感を味わいながら暮らしを豊かにしていくか・・ということを改めて考えたいとおもう。

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