見出し画像

現調日和

はじめての現調(現場調査)の日がやってきた。
お付き合いのある建築士さんには、古い家のリノベーションはフタを開けてみると必ず何か起こりますよ……と言われているので、ドキドキしながら家の状態を調べていく。


12:00

あらかじめ掃除したり窓を開けたり荷物をどかしたりしながら、皆が到着するのを待つ。幸いお天気にも恵まれて、家のなかに居ると風がとても心地よい。窓を開けっぱなしにしていたらヒヨドリが飛び込んできて、床にプリっとして出ていった。運がついたということにしておこう(笑)


13:00

全員が集まったので軽く挨拶して、まずはひと部屋ずつ紹介していく。元々どう使われていたか、そしてこれからどう使いたいかを伝えながら、部屋の状態を確認して写真に収めてもらう。
フミクラの建物は幸い建築当時の図面が残っていたので、あらかじめきれいにデータ化してもらっている。図面と部屋とを見比べてみて、それほど大きく変わったところはないように思っていたものの、やはりプロから見ると気になるところはあるようだ。


13:30

まずは南側からじっくりと調査することに。はじめに床下を見たいねということで、リビングの重たい畳を起こしてみる。畳の下に敷き詰められたシートも剥がすと、床板がピッタリと並べられていて、恐る恐る板も取っ払ってみるとあっけなく床下が現れた。

フミクラの建物は布基礎。外周のコンクリ以外は土の上に石やブロックが直置きしてあって、その上に束柱が乗っているという構造だ。建築士さんが手の甲で土をさわって湿気を確認する。床下は通気が良いのかけっこう乾いているようだ。
まだ一箇所だけなので他の場所(特に水回り)が怖いけれど、とりあえず一安心。


14:00

次に天井を調査。たいてい押し入れの天板が点検口になっているとのことで、リビングとキッチンの間にある押し入れへよじのぼってもらう。開けられそうな天板をずらしてみると、ワタ状の断熱材がボロっと落ちてきて皆でびっくり。

天板をゆっくりとずらして、ひとり入れるぐらいまで開ける。ライトで照らしてみると、灰色の屋根裏が静かに広がっていた。ところどころ経年で壊れたのか、雑な仕事なのかよく分からない部分も。古材をリサイクルしたような痕跡も見える。
土壁の立ち上がりには芯材となっている竹が突き出ている。電柱ぐらいの太さの梁は、まるで木の幹がそのまま載っているかのようだ。天井には電気などの配線が走り、各所へ伸びている。
とりあえず入り口から見渡して写真を撮り、部屋へ戻る。


14:30

床と天井をとりあえず確認できたところで、小休憩。これから各部屋の実寸を測っていくということで、二人ずつ二手に分かれる。一人はコンベックス(巻尺)とレーザー距離計で各所を測り、もう一人がiPadに表示した部屋の写真に細かく書き込んでいく。

計測を手伝ってみると、柱の横幅が105mm(3.5寸)、畳の短辺が880mmで、その辺に合わせて他の箇所のサイズも、実に合理的に決められているのがよくわかる。ただし古い家なので、例えば同じ柱でも天井側と床側で微妙に違う、なんてところばかり。とりあえずだいたいで測定して、図面との大きなズレがないかをひたすら調べていく。


リビングから廊下、洋室、水回りの一部……に進んだところでこの日は時間切れ。別日に水回りや和室その他を測ってもらって、だいたいの現状が分かってきた。
これでようやく、計画を練り始められそうだ。先はまだまだ長いので無理なくやってまいります。


2024/6/11  例年より遅い梅雨入りがありがたい一日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?