意味がない。 それがデフォルト。 だから、いい。

物事の意味、というのはとても大切なものだ。というふうに扱われていて、モノゴト様当人に毛頭そんなつもりはないだろうに、えらそうだなと思う。神様に似ているとも思う。呪いのようでもある。

あなたが生まれてきたことには意味があるとか、生まれた意味を見つければいいとか、そんな台詞を見聞きすること自体が怖いと思ったのは思春期の頃。意味がなければ生かしちゃおけないということだろうか。自分の生きている意味が分からなくて悩む人がいるって、本当だろうか。意味って何だ。草木も悩むのか。路傍の石にも意味はあるのか。

偶然、大きな不自由もない子供であったけれど、あれこれ考えた末、生きていることに意味はない、という意識が私の心に根を張ったのは果たして幸福といえるのかしらん。

強い陽射しに苛立ったり、月に不穏を感じたり、卵かけご飯を食べたり、食器を洗ったりしている。

少なくとも私は、意味を求めて生まれてきたわけじゃないんである。

意味を欲するのは、後回しでいいんである。意味づけするのは、いつでもできる。

それはまあ、生きることに限らない。

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