返信のタイミング

 携帯電話の電子メールの頃から切々と思っていたこと。

 返信が遅いことをやけに気にする人とわたしとでは、どうにも感覚が相容れなくって、お互いにややストレスを感じざるを得ない。

 当方の言い分は、こうである。仕事でもないのになぜそんなにもスピードを要求されなければならないのか。あなたが文句を言うのなら、わたしも文句を言わせてもらおう。あなたがあなたのタイミングを主張するように、わたしはわたしのタイミングを主張する。

 簡単につながるというのがなかなかクセモノで、簡単にできることをなぜしないのか、簡単にできることすらしてくれないって不快、不快にさせるあなたが悪いので糾弾してやる。とまあ、ひどい場合にはこのようにも展開する論法には、やさしさが足りないとわたしは思う。

 つまりは、あなたが簡単だと思っていることが、わたしにとって簡単とは限らないということ。であり、あなたにストレスない展開が、わたしにとってストレスとなることもあるということである。

 しかしこの反論は諸刃の刃、求めるスタイルが異なるので両者の主張は平行線をたどり、両者若干のストレスを感じつつ、時々のやりとりは行われる。

 「なかったはずのものを当たり前のこととして享受すると、当たり前のことがなされないことが苛立たしい」不思議を目の当たりにしながら、わたしは今日もゆっくり返信をいたします。ご了承ください。



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