+Jで考えるブランドの価値観
UNIQLOの+J、並んで買う程の大盛況ですね! メルカリでも発売直後から転売が賑わっているとか。本当にUNIQLO一強を感じます。
コラボしたジル・サンダー、女性のデザイナーです、 の削ぎ落とした美の世界観や袖を通すたびの高揚感、私も好きです。サイズが大きくてドイツ人は大きいんだなあと思ったりして。
今回は、ブランドの価値観とか背景とかをリアルクローズのファッションをやってきた編集目線で考えてみました。
UNIQLOでいい、UNIQLOがいい層も欲しい理由。
ブランドとは、いわばデザイナーというアーティストのインスピレーションの結晶。コレクションで世界観を発表し、最終的には日常世界に落とし込みながらもデザイナーのクリエイティブメッセージはくっきりとあります。これはファッション好きにとっては、たまらない楽しみ方の1つだと思います。
さて。UNIQLOはよく、アパレルではない、工業用品だ、ファッション界を破壊したと言う人も多くいます。ファッション好きやアパレル回りでよく聞く声ですが、工業用品だからこそよりユーザーの求めるものを徹底し、質を上げ低価格で提供してくれるアパレルだと私は思っています。
これだけ年齢、国籍、性別問わず圧倒的なユーザーがいるグローバルなアパレルは唯一無二ですよね。
この、いわゆるその世界観を買うと言ってもいいハイブランドと無駄を省いたUNIQLO、相反するコラボが売れるのはなぜか?
それはもちろん、デザイナーのアートなデザインを大衆的なUNIQLOで買える部分は大きいのですが、疑問なのは普段、ブランド服に興味あるの? という素朴な問いです。
周りでも、ブランドに興味ないし知らない、ロゴマークでお金取っててコスパ悪い、ブランドフィーチャーする人はださい、痛いと考えるアンチブランド層は結構多くいます。
なのにUNIQLOから出たハイブランドは買う、ここの心理がとても面白いなと思います。みんな、やっぱりブランドが好きじゃん! ってちょっと嬉しくなったりして。
選択肢が多い時代には意味づけで売る。
ネットが普及して、数えきれないファッションブランドをクルーズすることは、目の前のスマホ1つで簡単に叶います。
トレンド服が出れば、あっという間に類似の安価なデザインが出回る時代でもあり、私達エンドユーザーは、もうどこが元祖やら本家やらかが分からない時代です。
そんな大海で本当に欲しいものを1つ選ぶことは、好きなブランドやメーカーがない人はとって、さらに大変なことです。手触りとか着心地、そのブランドなりメーカーなりのストーリーも不要なので、好みとデザイン、値段だけがポチっと買う基準となります。
ので、色のついていないUNIQLOやZARAに購買が流れるのはとてもよく理解できます。たくさんの人が買うというのが究極のブランドであり、選択肢になっているんですね。
自己投資がこれからの1番の選択肢。
+Jをまとうことでジルサンダーの世界観を、お手軽かつ気軽に肌感で感じる。これってとても大切なことだと思います。それは自分らしい着こなしを徹底するだけでは叶わない、大きな自己投資だからです。
今までの自分の型や先入観破り、新しい価値観に挑戦する心の動きは、確実にモチベーションを上げます。
好きなことを見つけられたのがファッション。
ファッションに費やす予算の中から選択することは、勇気がいることです。
私は編集という立場から、多分人よりも圧倒的に沢山の服をインプットしてきましたが、それでも沢山の失敗や後悔を繰り返してしまいます。
ただその分、クリティカルヒットに当たる可能性も高くなり、ずっとお付き合いすることなる溺愛アイテムも増えました。
自分に似合う服は人から褒められます。その小さな成功体験を重ねるにつれ、自信がつきます。
ファッションは味変することが大切!
ファッションは全身の着こなしです。
全体、ぱっと見。これが全てといっていいくらい、善し悪しが視覚に訴えてきます。
このぱっと見レベルを上げることは、ファッションに投資する理由とも言えます。
いつもと違う服をコーデする、着こなしを変えてみる。そんな味変コーデをミラーにうつした時、どう感じましたか?
その心のモーションから自分への投資が始まります。
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