見出し画像

今週の写真集~木村伊兵衛、植田正治、ソールライター~

今回は木村伊兵衛、植田正治、ソールライターの作品集をセレクト。

まず、木村伊兵衛は日本を代表する写真家の一人。
ライカを使ったスナップ写真は、被写体に撮ったことを気づかれないような早業でうつされます。いつの間にか撮り終わった写真は被写体の自然な表情、背景、光などすべて計算されたような美しさ。
昨日ちょうど、「この写真が溢れる時代に、プロとはどういう人をいうのか」と話していたら、「その人ならではの温度を常に写真にのせられることだ」ということを聞きました。木村伊兵衛の写真は「熱・温い・冷」でいえば”温い”なのだと。その絶妙な温度を、今週もう少し掘り下げて考えたいと思います。

続いては植田正治。鳥取の砂丘で撮影した写真が有名で、彼の前衛的な演出写真は「”Ueda-cho”(植田調)」として世界でも人気です。砂丘の作品は、マグリットやダリなどのシュルレアリスムの絵画を彷彿させますが、植田さんも写真ではありながら”描く”ということを重視していたのだろうと思います。そして植田さんの写真で描かれているものは、写真でしかなし得ないもの…だからこそ、生涯「アマチュア写真家」と称して写真を楽しみ尽くせたのだと思います。

最後はアメリカの写真家ソールライター。
長い間今のように評価されることのなかった作家ですが、1994年に40~50年代のカラー写真が初めてプリントされたところから流れが一気に変わります。NYで個展が開かれ、その後それらの作品を「Early Color」という写真集にまとめて出版したところ、世界中で大きな反響があり、”カラー写真のパイオニア”として称賛されることになりました。この時ソールは80歳を超えていました。
傘の写真や、雨粒の写真などいつ見てもオシャレな作品たち。憧れてマネしようと思ったけれど全然できませんでした(笑)
ちょうど今Bunkamuraで写真展をやっていますね!3/8まで。見に行こう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?