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今週の写真集~アジェ、ダイアンアーバス、小林のりお~


今年の目標は週一回、美術館の図書館に行って写真集をみること。
今週はウジェーヌ・アジェ、ダイアン・アーバスの作品集と、小林のりお「ランドスケープ」をセレクト。備忘録として思ったことなどを簡単に残しておくことにします。

アジェはフランスの写真家。画家が絵を描くときに資料とする写真を、販売目的で撮影していました。当時のパリがどのような様子だったのか、史料としても大変貴重な作品を残しています。アジェのようなストレートな表現の写真を見ると、目の前にその場の光景が浮かび上がり、色付き出すように感じます。

ダイアン・アーバスはアメリカの女性写真家。作品集の最初にはインタビューのコメントが載せられているのですが、「私が写真を撮るのは、私が撮らなければだれも見ようとしないものがあるからです」という言葉にはハッとさせられます。写真家というのは、そういうものだ、だれもまだ気づいていないところにスポットをあて、その存在、時に魅力を伝えることだ、と思うのです。

最後は”ニュー・トポグラフィクス”の第一人者の一人である小林のりおの「ランドスケープ」。刻々と目の前で変わっていく多摩ニュータウンの景色を写す前半と、分譲地を新築カタログのように写す後半。自然は切り開かれ、昔の家は壊され…というと聞こえは悪いけれど、私たちの多くはそうやってできた家に住んでいます。新しくできるであろうこの家にも、また新しい歴史が刻まれるのだし、この家ができる前にもまた違う歴史があった…東京というのはそういう歴史の塗り重ねが多い場所ですね。それが良いことか悪いことかは関係なく。

次週へ続く。

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