就活生が楽しそうじゃない
なに言ってんだ? 当たり前だろ、と思われるかもしれない。
そのとおり。就活すごい楽しいんですけど、という学生はあまりいない。楽しいのが顔に表れてたりする子とかまず見かけない。
なんだろう。傍目にもわかりやすい「就活中です」という表情をしている。これまで感じたこと受けたことのない謎の圧や空気に晒されてるのだからそうなんだろう。
だけど、やっぱり見ていて違和感を感じるのだ。プレッシャーとも微妙に違う、なんとも言えない控えめな抑圧の表情。どの学生も本当は一人ひとり違うはずなのに同じに見えてしまう。ふしぎな量産型就活顔現象だ。
この時期、打ち合わせや取材で企業に行くと、同じビルに入ってるどこかの企業の会社説明会がかなりの確率で行われてるのに遭遇する。で、すれ違う学生から「楽しくない」エネルギーを受け取る。
表情がというのもあるけど、生命体的に楽しんでる要素を感じないのだ。スピ的な意味じゃなくても。
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彼ら彼女たちは無意識だと思う。決して就活生を揶揄するわけではない。ほとんどの子がまじめに就活をこなしている。自分を研究し企業を研究し最適解をちゃんと出そうとしている。
そこには楽しさとは違う次元のエネルギー消費があるんだろうな。就活ってそういうものだと言えばそれで話は終わる。
だけど、「仕事」のスタートが、そんなに楽しくないエネルギーがでいいんだろうか。たぶん、僕の違和感の根源はそこにもある。
楽しくないエネルギーからは楽しくないものが生まれる。そんな拡大再生産を続けるのがいいとは思えない。
じゃあどうする? たとえば、就活をいちばん楽しんでる学生を採用するやり方もありだと思う。
楽しんでるとかどうやって定量的に評価する? という課題もあるけどWell-beingの尺度とか応用すればサーベイ取れるんじゃないか。そんなことをふと考えてしまう。春なのにどんよりした空気の中で。
いや、ほんとそろそろこの空気変えてもいいんじゃないのか? 就活は都心の春の空気の一成分なんだから。