広告少女1

ピュアなこと

どうやら思いのほかピュアらしい。

なにが? っていうのも自分でいうのも変だけど、僕自身のこと。もちろん自分ではそんなの思ってもない。

自分でピュアいってたら気持ちわるいね。

あることで「ピュア疑惑」が発覚したのだけど、わりと人から言われたこととか、人のやってることを「そのまま」受け取る傾向がある。

あの人、あんなふうに言ってるけど本当はこう思ってるんだからね。
親切にやってくれてるように見えるけど、実際そうは思ってないよ。

みたいなのって、なかなかわからない。

みんな「わかる」のだろうか? もしかしたら小学校低学年ぐらいでちゃんとわかってて、テストでも「この人は、本当はどう思ってますか?」みたいなのに答えられてるのかもしれない。

そうだとしたら、そこからやり直しだ。

仕事では真逆だ。ピュアではできない。

取材やインタビューで誰かの話を聞かせてもらっても、相手の話をそのまま受け取ることはあまりない。

疑ってるわけじゃないよ、もちろん。

仕事で話を聞くときは事実とその人の意見や感情、想い、葛藤とかいろいろ聞く要素が多い。

Aと言ってるけどそれは「どこから出て来たAなのか」をちゃんとその文脈の中で文章にしたとき、読み手が納得できるように聞く。

なので「本当にピュアにAなのかな。もしかしたらBとかCもあるけど、対外的にAということにしてるのか。Bと言いたいけど、それにはどういう状況だったら言えるのかな」とか考えながら聞く。全然ピュアじゃない。

ときには相手にとって、ちょっと意地悪な聞き方だってする(もちろん相手を嫌な気持ちにさせない技術がある)。いろんな人格になって話を聞く。

読者はいい意味でもそうでない意味でも「疑って読む」からだ。表面的なきれいごとが並んでたって仕方ない。

ということを仕事でやって、それもかなりの時間「分人」みたいな自分を使ってる。それなりにエネルギーは消費する。

仕事じゃないときにまで、そういう自分を発動させようとは思わないんだ。そのせいで、プライベートではポンコツでピュアになりがち。

そうか。だからそれでバランス取ってるのかもしれない。