ピュアなこと
どうやら思いのほかピュアらしい。
なにが? っていうのも自分でいうのも変だけど、僕自身のこと。もちろん自分ではそんなの思ってもない。
自分でピュアいってたら気持ちわるいね。
あることで「ピュア疑惑」が発覚したのだけど、わりと人から言われたこととか、人のやってることを「そのまま」受け取る傾向がある。
あの人、あんなふうに言ってるけど本当はこう思ってるんだからね。
親切にやってくれてるように見えるけど、実際そうは思ってないよ。
みたいなのって、なかなかわからない。
みんな「わかる」のだろうか? もしかしたら小学校低学年ぐらいでちゃんとわかってて、テストでも「この人は、本当はどう思ってますか?」みたいなのに答えられてるのかもしれない。
そうだとしたら、そこからやり直しだ。
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仕事では真逆だ。ピュアではできない。
取材やインタビューで誰かの話を聞かせてもらっても、相手の話をそのまま受け取ることはあまりない。
疑ってるわけじゃないよ、もちろん。
仕事で話を聞くときは事実とその人の意見や感情、想い、葛藤とかいろいろ聞く要素が多い。
Aと言ってるけどそれは「どこから出て来たAなのか」をちゃんとその文脈の中で文章にしたとき、読み手が納得できるように聞く。
なので「本当にピュアにAなのかな。もしかしたらBとかCもあるけど、対外的にAということにしてるのか。Bと言いたいけど、それにはどういう状況だったら言えるのかな」とか考えながら聞く。全然ピュアじゃない。
ときには相手にとって、ちょっと意地悪な聞き方だってする(もちろん相手を嫌な気持ちにさせない技術がある)。いろんな人格になって話を聞く。
読者はいい意味でもそうでない意味でも「疑って読む」からだ。表面的なきれいごとが並んでたって仕方ない。
ということを仕事でやって、それもかなりの時間「分人」みたいな自分を使ってる。それなりにエネルギーは消費する。
仕事じゃないときにまで、そういう自分を発動させようとは思わないんだ。そのせいで、プライベートではポンコツでピュアになりがち。
そうか。だからそれでバランス取ってるのかもしれない。