写真徒然 2019.3.3
東京マラソンがあった。
いや、べつに自分が走ったわけでも観戦していたわけでもない。だけど、もし走るならと考えたのは雨のせいだろう。
雨のマラソン。雨の42.195km。
祭りのあとの東京の夜。
虚脱感と解放感が混じった空気が漂う
夜のコースを誰にも応援されることもなく、
誰にも知られずひっそりとトレースするように走ったらどんな気分になるんだろう。
途中で排水溝から顔を出したネズミの親子が
何か言いたげな顔で僕を見るかもしれない。
日曜日の酔っ払いが、呂律の怪しくなった感じで僕に黒烏龍茶を差し出してくれるかもしれない。
夜明けまでにゴールできるだろうか。
湾岸の朝焼けに呑み込まれるように僕は走る。
ゴールが東京駅に変わったことも知らずに。