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毎年おなじこと考えてる

ずっとガラス瓶に入れておきたくなる一日がある。年に何回か。ログを取ってるわけじゃないけど、なんとなくいまぐらいの季節が多い。

10月の終わりから11月の初めぐらいの、不透明度ゼロぐらいによく晴れた秋の日。

べつに何か特別なことがあったからというのでもない。むしろ、特別なことが何もないからこそ「瓶に入れておきたい」と思うのかもしれなくて。

特別な何かがあった日は勝手に記憶に残る。そうじゃない、何もフラグを立てるようなこともない日なのに、なぜか残しておきたくなる日。

世界中が秋の空気に覆われて(地球気象的にそんなはずはないのだけど)、みんなが秋色の時間を身にまとっている。秋の澄んだ青を背景に行き交う人たちは、誰もがささやかなポケットに入るぐらいの歓びを持ち歩いてる。気がして。

ふと、この街ごと、この空気ごと瓶の中に入れられたらいいのに。

そうしたら、人の姿が消えた季節にそっと取り出して眺められる。わりと本気でそんなことを考えてしまうぐらいにはこの季節が好きかもしれない。

毎年考えてしまう、戯言。

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◎責任編集

林伸次(BAR BOSSA)
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Yuki
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