見出し画像

ヴェネツィア映画祭2022

 強烈な日差しはまだまだ真夏そのもの、だが日陰に入れば風は爽やかで心地よい。延々と続くビーチももはや人出はまばらで、「地上」の喧騒とは対象的ー。
 9月前半、ヴェネツィアのリド島で開催されていた映画祭の会場を訪れる機会に恵まれた。ヴェネツィアにはなんだかんだと、しょっちゅう訪れているようでいて、映画祭は2016年以来だからなんと6年ぶり。コロナウィルスの感染が大きく広がったイタリアだったが、映画祭は一昨年も昨年も、いろいろと制限のある中で開催していたが、今年はほぼ、例年通りの運営に戻っていたよう。私もまさか今年、訪ねることができるとは思っていなかっただけに、本島からリド島に渡って、会場に近づくにつれ、懐かしさと嬉しさでワクワクした。
 実際に会場に出向いたのは1日ちょっとだし、これまでとは立場も仕事も違って、何しろ映画祭とはいえほとんど映画も観ていないのだけれど、もうともかく、その場にいるだけでアドレナリンがゾクゾクと出ているような、久しぶりの感覚を味わった。

レッドカーペット前で場所取り

 ともかく観ていないので、金獅子賞ほかの受賞作品には何のコメントのしようもないのだが、テレビやネットのニュースで見る限り、今年、功労賞を受賞したカトリーヌ・ドヌーヴがやっぱり何と言ってもかっこよかった。「(長年、セックスシンボルと言われ続けたことについて)見た目やブロンドの長い髪のために、そう言われてきたことを否めないけれど、私自身は決してそうではありません。実際に私のこれまでの「絵」を観てもらえればわかるでしょう」。「(過去の多くの作品について)私は過去は振り返りません。過去ではなく、常に未来を、これから撮る映画のことを考えています」。私にとっては、往年の(もしかすると過去の)大女優、だったのが、年を重ねてなお、迫力を増しつつ、とってもチャーミング、それでいて間違いなく真の大女優だと知らしめてくれたのが、やはりこのヴェネツィア映画祭の場の数々だったのだが、ご健在ぶりを堂々と示されていて、一ファンとして嬉しく思った。やたら細っこいばかりの、若い女優さん(俳優さんも・・・)よりもダントツに美しいと思うのは、もはや私もそちらの年代の心境に入っているということなのだろうか・・・。

 開会式や授賞式はもちろん、今や記者会見だってこうしてオンラインで中継しているし、映画そのものも、オンラインでも観ることができるようになっている。わざわざ、暑くて混雑していて混乱でいっぱいの会場に赴く必要もないのかもしれない。現場ならではのハプニング多いけれど、遠隔地なら余計な冷や汗を大量に流すこともない。それでも・・・そう、それでも、憧れのスター(古い・・・今なら「推し」?)を一目見ようとこうして集まってくる大勢の人々、劇場で(彼らと)一緒に映画を観て、空間と時間をともにする楽しみ・・・と、映画祭の魅力はオンラインだけでは味わえない。またあの現場にいられたらいいな、と思う。

会場へ向かう

 映画祭が終わる頃、ヴェネツィアの夏も終わりを告げる。閉幕からまだ10日ほどだけれど、雨が降ってぐっと気温が下がっているらしい。
 ローマもようやく、過ごしやすい気候になりました。

会場前のビーチ

#ヴェネツィア #ヴェネツィア映画祭 #リド島 #映画

17 set 2022


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?