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痩せた 認知症おとーさん日記 Jun.27〜Jun.29

1日早めたといっても前日の夜に着くだけから、正確には半日早いといったところ。10時すぎに実家に着くことを伝えると、
「おとーさんは寝ていると思うから、鍵を忘れずに持ってくるように。」
と、いつものアテンション。はい、忘れないようにするね。

日中は妹Rちゃんが姪っ子Mと一緒におとーさんのところへお米を届けに行ってくれた。一緒に晩ごはんを食べようと材料を買って行ったのに、「散歩に行くから帰れ。」と言われたらしく… 家庭を持っているからおとーさんとしては気を遣っているらしいけれど、妹Rちゃんとしてはとほほなわけで。そういえばこないだもそんなことがあったと言っていたな。
それでもこの日は姪っ子Mが一緒に散歩に行くと言ったら、うれしそうに出かけて行ったらしい。ほんと大好きだからなぁ。孫には勝てないってことだよね。結局一緒に晩ごはんを食べたらしいから、よかったよかった。

わたしが実家に着くとお布団を敷いあった。腰が痛いのに、ありがたいけど心配だよ、おとーさん…

恒例の台所探偵開始。冷蔵庫には解凍したまんまの冷凍おかず4個と食べかけがいっぱい。主菜を食べたあとの副菜を残しがち。
ほうれん草のおひたしを作って食べたらしい形跡あり。缶詰の食べかけもちらほらあった。
卵2パック以上、納豆4パック、白菜1/4切れを買ってきて忘れていたらしく、液体化していた。
冷凍庫には冷凍おかず2個。
妹Rが様子を見に来たときにダメになったものを捨ててくれたといっていたから、まあ作ったものの6割食べたといったところだろう。
カップ麺は完食、缶詰類は残っていた。
そういえばここのところお酒は飲んでいないんだと電話で言っていたけれど、ビールの缶が山になっているところを見ると、お酒はちゃんと飲んでいたらしい。

翌日ベッドルームへ起こしにいくと、まるでわたしが前から居たかのように自然に振る舞うおとーさん。喜んでくれると思っていたのに、肩透かし。
おとーさんのパジャマの下の体は骨張っていて、ここ1ヶ月半はあまりちゃんと食べていなかったことを物語っている。
生活のリズムが掴めないと言うのは食欲にも関係するし、やはりデイサービスは重要だ。今回の滞在中におとーさんにとって居心地のいいデイサービスが見つかるといいなぁ。

たぶんしばらくシャワーに入っていないだろうおとーさんに
「髪の毛がペタッとしてるから、シャワー入った方がいいよ〜 今日はちょっとお出かけするしね。」
と声をかける。
「そうか、入るか。」
と素直に給湯器のところへ行って元栓を開き、スイッチを入れてバスルームに向かってくれたので、ひと安心。
シャワーから出てきたおとーさんの髪はホワホワ、気持ちよかったとごきげんさんで何よりだ。

午前中に区役所へ障害者控除対象者認定書の申請に行き、せっかくだから大通公園を腰が痛いとベンチで休み休み散歩した。お目当ての資料館はコロナのため休館中で残念だったけど、天気がよくて薔薇が満開の中を歩くのはいい気分転換になったらしくてよかった。

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お昼はお気に入りの坐忘庵で好物の牛肉あんかけ焼きそばを食べ満足そうなおとーさんだったけれど、歩いて移動中にまた腰が痛くなり、食材の買い物中はカフェで読書をして待っていた。胸椎と腰椎の圧迫骨折の影響は大きいと今更ながら実感。以前の半分も歩けなくなっている感じだ。

「腹一杯だ。」とついさっきまで言っていたのに夕方には「腹へった」コール。まあお腹が空くのは健康な証拠だから、よかった。ふたりでいるとやはりよく食べる。しばらくぶりに一緒に晩酌をして、ふたりとも終始にこにこだった。

その翌日。午前中に洗濯したものをベランダに干してくれたり、お花に水やりをしたりして疲れたのか、午後は家でゆっくり過ごすそうでわたしひとりで出かけた。帰るとお米を研いで、洗濯物を取り入れてくれていた。
「ありがとう。」
と言うと、
「いつもやってることだから、ありがとうなんて言わないで。」
とおとーさん。いや、何度でも言うよ、ありがとうって。

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