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散歩 認知症おとーさん日記 Sep.24 2020

「もしもし、おとーさん?」「はい、おとーさんです。」なんてやりとりから始まったけさの電話。ちょうど朝ごはんを食べおわって歯磨き中だったらしい。お薬を取り出してもらおうとしたら、「右手に歯ブラシ持って、左手に...」そりゃそうだ。両手が塞がってたら何にもできないよね。また後で、といって一旦電話を切る。

再び電話、お薬を取り出してもらう。「きょうのお天気はどう?」「うん、いいよ。」「じゃあ、お散歩に行ってきたらいいね。」「そうだな、〇〇の方...いや▲▲の方へ行ってこようかな。」「うーん、▲▲の方は人通りがほとんどないから、〇〇の方がいいんじゃないかなぁ。」「なんでだ。」「最近坂道上がると息が切れて苦しそうだし、ちょっと狭心症の発作が怖いから。」「狭心症?なんだそんなことあったのか。」「うん、ここ3年ほどはないようだけどね。おとーさん、忘れてる場合もあるから、なんとも言えないけど。」「痛いことなら覚えてるはずだ。大丈夫だろ。」「まあ、そうだね。でも気をつけたほうがいいでしょ。人通りがほとんどないと何かあったときに助けを求められないから、心配なんだよ。」行動や選択の自由を制限されるのはつらいよね。ダメという言い方はしない様にしているけれど、違う選択を提案して私たちは心配なんだということは伝える。

そんな話をしているうちに、なぜかお買い物へ行く話に話はすり変わり「財布にお金が入ってないんだ。」という。財布の中を確認してもらって、ちょっと少ないかな?と、お金を足してもらう。おとーさんは5000円以上は大金と感じるらしく、持ち歩きたがらない。お金を仕舞い込んでしまってそのことを忘れてしまうから、(過去、50000円以上を紛失していまだ見つからず)妹Rと相談してお金を小分けしていろいろなところに分散して置いている。きょうもその中の一つからお金をお財布に補充してもらったというわけ。

「ん?なに買いに行くんだった?」さすがにそれはわかりませんよ、おとーさん。「お酒とか、納豆とかかな?」「そうだな、冷蔵庫を確認して買いに行ってくる。」そうだね、納豆を買い込みすぎない様にね〜 そうそう、お薬!「大丈夫だ、右手に持っている。」よかった。ちゃんと飲んでね。

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