認知症おとーさん日記　Aug.2 2021

朝ごはんを食べながら、
「きょうは何か予定あるのか？」
と、いつものように言うおとーさん。
「グループホームへ行くんだよ。妹Rちゃんが迎えに来てくれるよ。」
と答えると、
「どうしても行かなくちゃならないのか。」
そうだよね、行きたくないよね。わかってるけれど…

9時すぎにRちゃんと甥っ子Yがやってきて、いよいよ引越し開始。おとーさんは着替えた後の洋服を畳んで持っていこうとしている。こういうところ、ちゃんとしてるよね。

入所するにあたり、おとーさんと手伝いで中に入る私たち姉妹はPCR検査を受けるのが条件になっていた。コロナ禍の中、直接面会もできない状況なのだから当たり前の対処だろう。
入所するグループホームの部屋は、南向きで日当たりもよく広さも十分。実家のある場所と環境も似ていて、緑が望める。おとーさんはとにかく緑がある場所が好きだ。実家を買うときもそこが重要ポイントだったらしい。
荷物を下ろしたらYは帰って行き、Rちゃんとふたりで運び込んだ荷物を片付けたり、届いた家具を組み立てたり、入所手続きをしたり、お薬の確認をしたり…バタバタしたあとホッとひと休みしたら17時をすぎていた。

別れるとき本当に淋しそうにしているおとーさんを見ていると、切なくなる。帰り道、Rちゃんとも「淋しいね。」としきりに話した。今度会えるのは、いつだろう？