お供え 認知症おとーさん日記 Mar.17 2021
7時半すぎにモーニングコール。きょうもまだ横になっていたらしく起きていなかった。
「寒いから早く着替えてごはんの準備してね〜」
と、できるだけ明るく声がけして電話を切る。体がだるいのかなぁ、精神的なものなのかなぁ… 気になる。8時すぎにそろそろ朝ごはんを食べはじめているかな?ともって電話をすると、おみそ汁を作っているところだと言う。むぅ〜、スローだな。ちょっとヤキモキ。もう食べ終わった頃だろうと8時半すぎに電話をしたら、ちょうど食べ終わったところだと言う。
「わー、じゃあお薬飲んで片付け急がないとね。」
「大丈夫だ。まだ時間はある。」
「んー、そんなに時間ないよ。お薬取り出した?」
「取り出してあるんだ。」
わたしが焦ったところでコトは解決しないのだけど、どうしても焦ってしまう。準備はどうかなー、もうできてるかなーと9時前に連絡すると、なんとまだ歯を磨いてるところ。
「急がないと!」
「なんでだ。9時半に迎えに来るのに。」
「水曜日はお迎え早めだし、お迎え時間は9時〜9時半の間って言われてるよ。」
「そんなのはお父さんは聞いてない。」
「何度も話してるけど、忘れちゃってるんだよ。」
「そんなことはない。」
結局朝から問答になっちゃった。しかしその時間さえもったいない!「急いでー」と言って電話を切った。このお迎え時間問題、どうしても9時半という時間がおとーさんの中で深〜く刺さっているようで、上書きができない。どうしたもんだろうなぁ。何かいい方法はないものか。
夜、おとーさんから電話がかかってきた。でも、なんで電話をしたのかわからなくなって、おろおろしている。質問をしながらなんで電話をしたのかを探っていくと、母の月命日のお供えを買っていなかった自分に対して混乱していること、買いに行かなくてはならないしお参り(自宅の仏壇)しなくてはならないから、明日はデイサービスを休みたい、とのことだったらしい。
わたしとしてはデイサービスはなるべく休んでほしくないから、家にある果物とお菓子で今回はいいことにしたらどう?と提案してみた。おとーさんは一旦は「そうだな。」納得してくれたのだけど、やはりどうにも決まり事を遂行したい気持ちが強いらしく5分後にまた電話をかけてきて、やはりデイサービスを休みたいと言う。おとーさんの思いとわたしの思いのぶつかり合い。むぅぅ、別に1日くらい休んでもいいか。ここはおとーさんの希望を叶えよう。
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