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ただいま 認知症おとーさん日記 Oct.27 2020

ちょっと早いと思ったけれど、車で移動する前におとーさんに電話。きのう心配で寝付けなかったのか、8時ちょっと前だと言うのに、まだ起き出していなかったらしい。10分後に再び電話をして今日の予定を伝え、メモをしておくように頼んだ。カレンダーにわたしの予定を書き込まなかったために、おろおろ心配させてしまって申し訳ないと、反省したから。まあ、そのメモの存在を忘れてしまう可能性もあるけれど。ついでに可燃ごみを出すように伝える。
朝ごはんを食べ終わったころ、三度電話。「朝ごはん食べた?」「うん、今、後片付けが終わったところだ。」「じゃあお薬飲んでね。」「何日だ?27日___取り出した。飲むね。」お天気がいいから、散歩に行こうと思っているらしい。気をつけて。「帰りの電車に乗る前に電話するね。」と言って電話を切った。

帯広からの帰途につく前に約束通り電話をする。「文恵はきょう帰ってくるのか?今どこだ?」開口一番に聞かれた。やはり忘れちゃったかぁ…「今ね、帯広から電車に乗るところだよ。」「ああ、そうか。なんだか東京にいるような気がしてた。家に着くのは何時頃になるんだ?」「9時すぎだよ。ごはん食べた?」「今晩酌が終わって、これからごはんだ。」「鍋に作っていった煮物、食べてる?」「うん?文恵が作っていってくれた皿盛りのおかずを食べてるよ。」ん?皿盛り??自分で皿盛りしたんだな、きっと。「食欲はありそうだね。」「大丈夫だ。適量食べる。」とりあえず元気そうでよかった。起きて待ってると言ってたおとーさん、さてどうだろう?

電車の中で爆睡している間におとーさんから留守電あり。「もう寝ようと思ってるんだ。その前に文恵の声を聞いてからと思って…」って、恋人か!? いつもなら玄関とわたしが使っている部屋に電気をつけて、お布団も敷いておいてくれるのだけど、帰ってみたら真っ暗。たぶんわたしが今日帰ると言うスイッチがオフになってしまった模様。ガサゴソしてたらおとーさんが起きてきた。「なんだ、今日帰ってくるんだったか。」やはり。「起こしちゃった?ごめんね。」「いや、今さっきトイレに起きたところだったんだ。」そう言いながらも眠そうな、安心したような顔をしているおとーさん。安心して眠ってね。

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