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入院32〜34日目 退院 認知症おとーさん日記 Apr.26〜28

相変わらず電話は通じず。退院を目前にして、今更葉書を送っても行き違いになっちゃってもなぁ、と葉書も出せない。

そんなこんなで、退院の日を迎えた。前日にPCR検査の陰性確認も取れ、早朝便で意気揚々と帰るはずだったのに、目覚まし時計を止めて寝坊してしまった!猛スピードで準備して、なんとか無事チェックインできた時は、きょう1日の仕事が終わったくらいどっと疲れが押し寄せ、飛行機の中では爆睡。(単なる言い訳です…)

一旦実家に寄って荷物を置き、いざ病院へ。名前を呼ばれて診察室へ行くと、すっかり身支度をしたおとーさんが待っていた。わたしの顔を見るなり満面の笑み。なんだかキュンとするじゃないか。入院した頃のヨロヨロした様子と違い、しっかりした様子で動きもスムーズ。ほっとした〜

お医者さまからは、圧迫骨折をした第12胸椎はちょっと変形してしまったけれどかたまっていること、骨が脆くなっているからそれを補うために月1で注射を打った方がいいことなどを伺った。妹Rちゃんと手分けして病院通いを続けることになるな。また相談しなくちゃ。

リハビリを担当してくれた理学療法士の方からは、体の動き自体は大丈夫だと思うけれど認知機能の低下が見られると話があり、日常生活に戻るためには、見守りながら徐々に慣らして感覚を取り戻すようにとの助言をいただいた。半月でなんとか目処がつくようにがんばろ。いや、がんばってもらおう。

支払いやらお薬の処方など小1時間ほどしてから病院を後にした。車で帰ろうかと思ったけれど、地下鉄で帰るとおとーさんが言うので、最寄りの駅までそうすることにした。ひさしぶりに外を歩くのがうれしいみたい。

家に帰る間中、「久しぶりだ。」「なつかしい。」を連発していたのに、家に着くと戸惑った様子のおとーさん。どうやら、知っていると言う認識はあるのに知らないところのように感じて落ち着かないらしい。いつもより時間をかけてゆっくり確認しながら着替えをして、荷物を片付けていた。きっとすごく不安なのだと思う。

お待ちかねの晩ごはんは、おとーさんのリクエストで刺身。病院のごはんはおいしかったらしいけれど、生モノは食べられなかったもんね。あとは蕗の葉とちくわのかき揚げなど、ちょいちょい作って晩酌スタート。

「金子さん、今夜はビール飲めますね。」
「はい、たのしみです。いろいろとお世話になりました。」

なんて病院を出るときに言ってたおとーさん、まずはおいしそうにビールを飲み干した。

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「おいしいなぁ」

いい顔。ビールの後は日本酒も飲み、〆ごはんもぺろりと平げた。元気になって本当によかったねぇ。


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