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記憶の上書き 認知症おとーさん日記 May 24 2021

8時半頃に電話。朝ごはんを食べていたおとーさんに、なにを食べたのかを聞いてみた。
「冷蔵庫にあったものだ。納豆とかもうないんだ。」
と言う。そりゃそうか、買い置きしたって言っても3個入りを3つだったからもうなくて当然。本当はもっと買って冷凍庫に入れておいてあげたかったけど、冷凍庫はおかずセットでぱんぱんだったからなぁ。前日の食べ残しのおかずなどを食べているらしい。食事の邪魔をしては悪いので、一旦電話をきった。

アルツハイマー型認知症のおとーさんは新しいことを覚えるのが苦手。だから、やれるタイミングで話すようにしている。一度でいろんなことを話してしまうと混乱するし、先のことだと忘れてしまう。もちろん覚えてることや、フッとした拍子に思い出すこともある。新しい記憶の引き出しがなかなか開かない、開けるのが大変な感じなのかな?と思っている。

と言うわけで、ごはんを食べ終わった頃を見計らってお薬確認の電話をした。これもわたしのタイミングが合わず、かなり遅くなってしまうこともあるのだけれど、主治医の先生に相談したら「飲まないよりは飲んだほうがいい」とのことなので、気負いすぎず続けられているのだと思う。

仕事中に電話をくれたらしくおとーさんから留守電が入っていた。わたし宛にお知らせの封書が届いていたらしく「転送しようか?」とメッセージが残っていた。しっかりとしてるなぁ、まだまだ大丈夫そう。
夕方折り返しの電話をすると、そのことはすっかり忘れてしまっていた。そのことにちょっとオロオロしてたけど、さほど重要なことではないので帰った時でいいから転送の必要はないことを伝えた。もしかしたら、また明日電話がかかってくるかもしれないな。

ついでに晩ごはんを食べたかを聞いたら、もうすっかり食べ終わって片付けも済んだとのこと。6時を少し回ったところなのに、早いなぁ。きょうはお酒を飲む気分じゃなかったらしく、ごはんだけ食べたのだそう。
「食欲はある?」
「ないな。だけど、何かお腹に入れたほうがいいと思って、食べてるよ。」
「そうかぁ、ちょっとでも食べててよかった。一日中お家の中だからね、そう言うこともあるよ。」
「そうだな、デイサービスにも行ってないしな。どうなってるんだ?」
ここのところデイサービスに行くことにちょっと後ろ向きだったけど、やっぱり切ったほうがいいと感じているらしい。とくに何ってわけじゃないけれど、人とふれあう機会になってるから、家で一人っきりで長くいるよりはいいと思ったんだろうな。
「まだ連絡来てないんだ。新型コロナのクラスターになっちゃったから、再開に対して慎重なんだよ。もうちょっと待ってね。」
「そうか。それは仕方ないな。文恵は次はいつ帰ってくるんだ?6月の末だったか。」
「うん、そうだよ。」
「1ヶ月以上もあるのか…長いな。でも、前に進んでるからな。おとーさんはもう寝る。」
まだ、7時前だけど… 塞ぎ込んで悶々とするより寝ちゃえ!っていうのは、いいことだと思う。それにしても、デイサービスが早く再開してくれるといいなぁ。

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