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韓国ドラマ「人間レッスン」

高校生たちが主人公の韓国ドラマ「人間レッスン」の感想を書こうと思います。やむなく手を染めた普通でないお仕事とそれに伴う人生の代償が描かれていく。スリル溢れるスピーディな展開の連続で、彼らに目が離せなくなる。

クズ親に置いて行かれ、それを内緒にして一人暮らす高校生ジスの夢は普通に学校を卒業し大学に進学すること。彼の夢を叶えるため彼が考え出した仕事はアプリを利用し彼は姿を見せずに仲介する援助交際の警護サービス。端からみたら売春の仲介業。一人で生活しそして進学する為にはどうしてもお金がいる。

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普通になる夢を叶えるための普通でない影の仕事。ジスは同級生の少女ギュリにスマホを盗まれ、秘密を知られて仕方なく二人チームとして仕事をすることに。ギュリも全てを管理してくる親から逃げるためのお金が必要だった。貝の中にひとり潜むようなジスの暮らしが、そこから様々なハプニングにみまわれるように。
危険なハプニングに遭うたび助け合い、ギリギリそれを回避していく二人。ジオは金持ちのギュリと自分は違う人間だと思っていたけど、担任教師は一人で全てを抱え込むところが二人そっくりだと言う。

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回避できたはずの問題が、さらに大きな危険を呼び込んでいく。玉が転がるように止められない。遂には命まで危険に。
転がる玉は巨大になりすぎてもうどうにもできない。「僕はただ普通に卒業して進学したかっただけ」泣きじゃくるジス。"普通になる"という夢への凄まじく悲しい執着。でもそのために人に迷惑をかけようとは思ってない。決して悪い子ではなく、そう普通の子なのだ。

担任教師、警護人イ室長、スクールポリス、手を差しのべようと子供たちに目を向ける大人はいた。でもジスとギュリはそれをすり抜けて二人きりで進んでいってしまった。あれは友情?愛情?なんと呼んでいいかわからない関係。大人たちとの関係含めもう少し考えてみたい。私も大人側の人間なので。

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究極の場面で、お互い相手を逃がすためには自分の命を捨てても構わない選択をしてた。愛でも恋でも友情でもなく、逆に愛で恋で友情でもあるような、はっきりと定義できないジスとギュリの関係。その二人チームとそれ以外の他者(同級生や大人たち)との関係。貢ぐために援助交際をしていた同級生ミンヒと彼氏ギテ、そして警護人イ室長との関係。選択が関係をも変えていくように思うドラマだ。

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あのエンドも、全然ハッピーではないようで、けれどもしかして最悪は回避されたようにも。何よりあの時、バッドかハッピー、二人はそのどちらを考えていたのだろう。それもやはり、ハッピーでもバッドでもなく、ハッピーともバッドともいえる、はっきりと定義できない気持ちだったのだろうか。

結局二人は最後まで一緒にいた。いつの間にか彼らにとって、お互いが大事な存在だった。ひとつのコインの表と裏のごとく、違うけれど全く同じものとして、座っていた。

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