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『ラブ&モンスターズ』

 私の印象としては「ドラ○もん」や「ポ◯モン」とかのアニメ映画を連想する子供も楽しめる内容であり、絶望的な世の中ではあるけれども恐ろしいモンスターの中には対処の仕方でやり過ごせるような目を見ればわかる奴もいて、「宇宙戦争」のように無情に侵略してくる宇宙人に人間が完敗してしまっている絶望的な世界観とはちょっと違うなと思った。

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 モンスターが地上を跋扈する人口の95%が消滅した終末を迎えた世界で、冴えない主人公が地下コロニーの仲間達との友情に支えられ、昔の恋人との再会と愛情を再確認し、遭遇したモンスターの特徴を書き留めてきた地道な努力でもって地上でのサバイバルに希望を見出すという週間誌の少年漫画のような物語で、スプラッタなシーンは控えめの老若男女が楽しめる映画になっている。
全ての世代が見れる作品として作られているのだろうと思った。

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旅の友になる犬だって死んだりしないし、ロボットのメビウスだって主人公(人間)の良き友として励ましてくれるし、まだまだ世の中は捨てたものじゃないんだと感じさせてくれるエピソードが多い

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 「ラブ&モンスターズ」はものすごくべたな物語なんじゃないだろうかと思うけれども、まさかのパンデミックが起こってしまった2000年代の現代に即していて、現代の方が映画の方に近づいてしまったのかもしれないなんて思った。
 「事実は小説より奇なり」という言葉があるけれど、実際に私自身がそれほど「奇なり」な劇的な現実の中を生きてこなかったので、現代の世界の状況がまさに「奇なり」で、空想の終末の世界に少しだけ近づいた様にも感じる。
 このままパンデミックが延々と続いたら、きっとパンデミックの状況しか知らない世代も増えていくだろう。そうして私の知るパンデミック以前の世界は良い思い出になり忘れ去られていくのだ。

この映画が2020年に公開されたことに意義を感じる


 世界は変容し巨大モンスターが溢れてしまったけど、試行錯誤して生きていく主人公達の姿に感動し励まされ希望を感じる映画だ。

そう、世界がもう元に戻らないとしても。

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クライド・ダットン/マイケル・ルーカー
息子を失っているが、亡き親友の子供ミノウと共に協力して安全な場所を目指す。
「諦める必要はない、例え世の末でもな」と前向きにいろんなことを乗り越えていこうとしていて、主人公に地上で生きる術を教える。
 マイケル・ルーカーの癖のある役ばっかり見てたので、面食らうほど良い人で驚いた。

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ミノウ/アリアナ・グリーンブラット
父とクライドの息子が一緒に亡くなってしまいクライドと共に旅をする。
これからの人生は変容した終末の世界で過ごすことが長くなるであろうし、幼いながら生存の厳しさをよく知り、時々主人公に辛辣。
 かわいい。

2020年米公開2021年日本でNetflix配信
原題 LOVE AND  MONSTERS
監督 マイケル・マシューズ





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