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「知への讃歌 修道女フアナの手紙」 ソル・フアナ

旦敬介 訳  光文社古典新訳文庫  光文社

「知への讃歌 修道女ソル・フアナの手紙」(光文社古典新訳文庫)昨日読み終えた。

 つまり、言えないことがらは、言えないのだということだけでも言っておく必要があるのです。
(p79)


ここでは神の叡知について語り得ないこと、また手紙として相手に対しての謙遜などの表現が重なっているのだが、一方で語れないことを言わなくてはならないという…この言葉の機能というか人間心理はとても根本的なところをついている気がする。

ソル・フアナは17世紀メキシコの修道女。当時としては大胆に女性としての自由を謳った詩人かつ知への欲求が強かった人。何故修道女という道を選んだか、この手紙の相手(実際は彼女の作品を出版した人)が何故偽名で性まで変えて序文を書いたのか、彼女の「回心」と43歳での死、またメキシコ人としてのアイデンティティーなど、解説にいろいろ書いてある。
(2012 10/29)

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