「山をたのしむ」 梅棹忠夫
ヤマケイ文庫 山と渓谷社
電子書籍(sonyreader)にて購入。
読みかけの棚にあったこの本、読み終わり
その時の記録はこちら ↓
中尾佐助氏の思い出
noteに載せた絡みで久しぶりに続き読んでみた。第3章から。今西錦司との渓流釣りと、中尾佐助(「栽培植物と農耕の起源」)の業績と思い出。豊川の商家の生まれの中尾氏は、日本人で初めてブータンへ渡り照葉樹林文化論を展開、かなりの実証主義者…それはいいのだが、文化的高尚さに反発することもあって、俳句を非難したり、パキスタンに一緒に行った梅棹氏の茶器を割ったりした(梅棹氏はまた貼り合わせたという)。
また「分類の発想」という本では、牛や馬のようなまだら模様が人間にないのは、まだ充分に混血していないから。あと百年くらいすれば、カリブ海辺りにまだら人間が現れるだろう…という楽しい?予言もしている。
(2024 01/17)
山は山全体を楽しむべし
あれから少しずつ残っていた半分読んでいき、今日読み終えた。第3章最後の座談会では、山はただ高い山に登るだけではなく、周りのものを含めた山全体を楽しむべきだという梅棹氏の思想がよく現れている。梅棹氏自身の経歴見ると結構挫折もしている。マナスルには行けず、ビルマの高山にはビルマ政府から許可が出ず、結核、失明なども。
滋賀県(東近江市?)にある西堀栄三郎記念館…南極探検の西堀氏の故郷に建てられ。そこの「日本の探検家49人」を選ぶ仕事を梅棹氏が行う(後に梅棹氏自身が50人目の探検家に選ばれる)。高い山を登った先は宇宙か深海か、若者達が自主的に集まって「山岳クラブ」ならぬ「宇宙クラブ」くらい作ってくれ、と最後に語っていた。
(2024 02/20)
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