#2 中距離恋愛、高速道路で愛を感じる。

現在の彼とはいわゆる中距離恋愛です。
高速道路を使って、片道最短1時間15分の距離。
のんびり下道で2時間弱。
夕方仕事が終わって会いに行って翌朝帰ってくることも、まあ、できる。

彼が来てくれるときは彼の仕事(土日祝休み)が金曜日の夕方終わってから来て、土日にかけて二泊して日曜日の夕方帰っていく。

私は二交替なので夜勤明けの朝帰宅して、お風呂行ってちょっと寝て夕方彼のうちに着くようにする。
夜勤明けの次の日は休みと決まっているので、その日は彼と過ごしたりお留守番したり、娘に遊んでもらったり、二泊した翌朝に帰ってくる。
というパターンが多いです。

夜のうちに帰って、余裕を持って出勤したいのですが、夜ひとりになるのがさみしいと彼が言うので・・。

正直なところ、早朝運転して帰ってくるのってしんどいなと思っていました。

病棟看護師って、どこでもそうだと思いますが前残業ありませんか?
情報収集するのに患者さんによってはとてつもなく時間を要したり、点滴や化学療法のメニューの確認、処置や検査、手術出しがどんな具合か、なんて最早運です。
割り振られていたらこなすのみです。
なので、少しでも早めに出勤して余裕を持って準備したいのです。
(一応、始業時刻の30分前まで出勤してはいけないというルールがあります。)

前置きが長くなってしまったけど。
そんな、ちょっと不満が出てきそうになった頃、突如として愛を感じ感動した出来事がありました。

その日は冬で、早朝、混んでいる高速道路を運転していました。
「車、多いなー。これだけの交通量ってことはたくさんの移動してる人がいるってことだよね。人も、物も、移動している」
って、何となく考えながら。
みんな、何のために移動しているのだろう。
私だったら愛している人に会いに行って、また一日頑張ろうって気持ちになって帰路につく。
職場には家族と離れて闘病のために入院している患者さんたちがいる。
私たちを待ってくれている人たちがいる。
患者さんたちもそれぞれ、愛し、愛されている存在だ。
不安で、辛くて、痛くて。
そりゃあ私たちに当たりたくもなるよね。
この高速道路を流れている車も、人も、物も、それぞれ人と人の繋がりの中で、愛を受け渡し合っている。
その循環の中にいる、それって凄いことだ!と気付いたのです。
グッと胸の奥からなんとも言えない感情が湧いてきて泣き出してしまいそうになりました。
この気持ちを味わうために中距離恋愛をしているのかとさえ思ったほどです。

常にそんな余裕のあるメンタルを保てないことだってあります。
むしろ、いつも余裕なんてありません。

あの朝の出来事って、何だったのだろうと今でも思います。
距離があるからこそ会いたいなぁって思って会いに行く。
会いに行ける元気な体も、交通手段もある。
何より、会いたいって思う存在があること。
そのありがたさを知ってしまった。

今でも、時々思い出します。
あの日の空気の冷たさや、心から温かい気持ちになったことを。

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