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映画 / 美術 / 文筆

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工藤玲那 個展「アンパブリック マザー アンド チャイルド」@塩竈市杉村惇美術館を見て思ったこと、思い出したこと。

 7月16日に開幕した、若手アーティスト支援プログラムVoyage2022で、ビジュアルアーティスト・工藤玲那さんによる個展「アンパブリック マザー アンド チャイルド」(会場:塩竈市杉村惇美術館)が催されている(ちなみに隣の展示室で、わたしも個展をさせていただいてます)。  展示室に入ると、カーテンが開け放たれ、外光が入り込む開放的な空間に、ぽつりぽつりと立体造形物が点在している。あえて、展示室の照明も蛍光灯に変えてあり、この「明るさ」「白さ」が印象的だった。わたしは設営

    • 小森はるか、瀬尾夏美『二重のまち/交代地のうたを編む』を見ました。

      (Facebookに書いた日記をやや加筆修正して転載)  いわゆる、「ワークショップ映画」と言えるこの作品では、ワークショップ参加者が震災の被災地に赴き、おもに親しい人を亡くした生存者の話を聞く。その生者の語りはほとんど直接映されることはなく、死者ー生者という二者関係に、外部から来た「第三者」として介入することとなるワークショップ参加者によって語り直される。 ワークショップ参加者は、自身の言葉で語れば語るほど残された生者があのとき語ってくれた言葉からは離れていくような気がす

      • 濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』を見ました。

         濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』を見た。泣き腫らしてしまった。映画にもまだ何かできると思ったし、映画は変わることができると思った。それはほんの少しずつ前に進むことだ。誰もが当たり前のように「映画」と呼ぶものをわたしたちは作っているように見えようとも、人々の気づかないうちにその「映画」も変化している。  映画の中盤、『ワーニャ叔父さん』のホン読みをしている人々を、声や環境音はなく音楽にのせてひとりひとり映していくインサートシーンが印象的だった。一人を除くすべての人物がアップで

      工藤玲那 個展「アンパブリック マザー アンド チャイルド」@塩竈市杉村惇美術館を見て思ったこと、思い出したこと。

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      • 濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』を見ました。