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医師と結婚して離婚した話〜打算的婚約



突然の頭叩きから、数日経った頃、一言

「ごめん」

というメールが届いた。

それで、
「いいよ。私もごめん。」
という気にはなれず、
そのまま放置することさらに数日。

今度は電話がかかってきた。

「何してる?」と。

「別に、何も」
…他に言うこと無いんかい?


その後ようやく謝罪の弁があり、
なんとなく仲直り。


もう、その頃には既に元夫の中に「Kくん」の面影は見出せなくなっていた。


なんとなく結婚する?

そこからさらに数ヶ月後。


私は新たな職場に就職し、
元夫は再び転勤の内示があった。


今度は、県内ではなく県外の
それも遠距離期間以上に遠い場所の病院だった。


そんなきっかけもあり、
なんとなく結婚するか、という流れになった。


「なんとなく」と言えるくらい
ハッキリしたプロポーズも無く、
何故こんなに重要なことが「何となく」決まってしまったのか、いまだに不思議で仕方がない。


ただひとつ言えるのは、この結婚に関しては、私の打算的な思いがあった。
これまで多数の違和感を覚えていたにもかかわらず。



きっと今後の生活は安泰だろう



という一点に尽きる。


なにしろ、医者である。
腐っても医者である。


ある程度は我慢しながらも、優雅な生活を送った方が幸せに違いない。


…と考えた当時の私。



引っ叩きてぇ


このバカタレが‼️目を覚ませ‼️
根性叩き直したる‼️
(今の自分から当時の自分へ)


親への挨拶

さて、そこからは展開がものすごく早かった。


まずは両家への挨拶だ。


元夫のお父さんは開業医。
お母さんは、元々、有名企業の副社長令嬢で、名門私大卒。生粋のお嬢様育ち。


私にとって第一の難関だった。


かたや、私といえば田舎育ちで、その辺の大学を出て適当に生きている人間。


一体、どう思われるんだろうか…


着ていく服は?
言葉遣いは?所作は?手土産は??


元夫に「手土産は何がいいかな?」
と、訊くと


「丸ぼうろ」



………あー、聞くんじゃなかった🤦🏻‍♀️
ばあちゃんちに遊びに行くんじゃないんだから。



初対面の日。


玄関を開けると、お母さんが笑顔で出迎えて下さった。


重厚感のある家の内装。
上品に整っている玄関。
飾ってある高級そうな絵画。


これまでに触れたことのない洗練された空間。


ますます緊張が高まる。


何を話したのか、具体的な記憶がないが、
とにかく堅い印象のお父さんと、岩下志麻を柔和にした感じのお母さんの印象だけが残っている。


「手紙と余興は無しで」

それ以降は、さらに展開が加速し、結納や式に向かってまっしぐら。


まっしぐらなんだけど…



お母さんのリーダーシップがとにかく凄まじかった!


正直言って、なにひとつ自分たちで決めていない。



結納、式場、日取り、結婚指輪、誰を呼ぶか、ドレスの業者…ありとあらゆる細部まで全てお母さん主導だった。

婚約指輪は、お母さん手持ちのダイヤをリフォームして下さった。
※元夫からもらったわけではない。

元夫もおそらく、そのように育ってきたため、何も疑問に思わなかったのだろう。




トドメは
「花嫁からの両親への手紙は省いていいわよね?」



理由は覚えていないが、なぜかそういうことになった。


「余興も無しにしましょう」


あ…そうなんですね…


代わりにプロのピアニストを呼んで演奏して頂くということになった🎹



なるべく感情を乱すことなく、出来るだけスマートに式を遂行させたいという意図があるように感じた。



実は私自身、式の内容にまったくこだわりがなかったし、苦手なので、むしろ全部決めて頂いて助かったくらいだった。



正直、ほとんどの部分がどうでもよかった。


しかし……


思わぬところで、第二の難関に直面することになった。



衝撃の媒酌人

媒酌人を立てる、と言われ。


◯◯大学 医学部 ◯◯科 教授夫妻


と。


きょ……教授?💦💦


あれだ、あれ。
白い巨塔の世界に出てくる
「財前教授の総回診です」の教授だ。



ひえ〜〜〜😵‍💫
本当に教授っているんだ。
(そらおるやろ)



そして、ご挨拶方々教授宅で夕食にお呼ばれすることになった。



もうだめだ…(何が?)
えらいことになった……逃げ出したい💦



窮した私は、とりあえずマナー本を買うことにした📖

ザ・付け焼き刃


つづく…


教訓
【マナーや品性は1日にしてならず】

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