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4-3-3のビルドアップに対する効果的なプレッシング

21/22 ラ・リーガ 第2節
アスレティック・ビルバオ vs バルセロナ

 今回は、先日に行われたラ・リーガ第2節のアスレティック・ビルバオvsバルセロナにて見られた、ビルバオのプレッシングの局面について分析する。
 バルセロナの「2-3-2-3(4-3-3)」のポゼッションによるビルドアップに対して、ビルバオはどのような構造で、どのような狙いのプレッシングを行ったのかを具体的に掘り下げる。


スタメン(home : ビルバオ)

(away : バルセロナ)

結果 : ビルバオ 1 - 1 バルセロナ
( 前半 0 - 0、後半 1 - 1 )


ビルバオの守備
(敵陣でのプレッシング)

① 開始点
 ビルバオは敵陣でのプレッシング時、主に下図のエリア(黄色)がプレッシングの開始点となる「超攻撃的プレッシング」を行っていた。
 この狙いとしては、非常に高い位置でボールホルダーへプレッシャーをかけることにより、ロングボールを蹴らせることで、バルセロナの強みであるポゼッションを無効化してしまうというものだった。
 尚、プレス回避される、ハイプレスができないなど、状況に応じては「4-4-2」のミドルプレス(守備的プレッシング)行うなど柔軟に対応していた。


② 陣形
 ハイプレス時の陣形は下図のように「4-1-2-1-2(中盤がダイヤモンドの4-4-2)」となる。具体的には、右CMFのベンセドールがトップ下の位置に上がり、相手アンカーのブスケツをマーク。左CMFのダニ・ガルシアはアンカーの位置に立ち、DFライン前方の中央のスペースを管理する。また、FWのサンセト、I・ウィリアムズは相手CBを、SHのベレンゲル、ムニアインは相手インサイドMFを監視する。さらに、プレッシングエリアとなるサイドへボールを誘導させるために、全体の横の幅をできるだけコンパクトに保つ。


③ 追い込み方とスイッチ
 追い込み方としては、ボールをサイドのエリアへ誘導させ、そのエリアでアグレッシブなプレッシングを行っていた。ここで、サイドへの誘導の仕方は、全体の横の幅をコンパクトに保ち、FWのサンセトあるいはI・ウィリアムズが相手CBに対して中盤のエリアへのパスコースを消しながらプレッシャーをかけていた。
 プレッシングのスイッチは、大外に立つ相手SBへボールが配球されたときで、主にSHのベレンゲル(右)、ムニアイン(左)がアプローチしていた。そして、全体をボールサイドへスライドさせ、ボール周辺のエリアではマンマークによる守備が行われていた。ここで、マンマークに関して、誰が誰をマークするという決まりはなく、状況に応じて柔軟な対応がなされていた。

(左サイド)

(右サイド)



④ ロングボールへの対応
 バルセロナがロングボールを用いたダイレクトなビルドアップを行った場合は、CFの位置に立つデパイがターゲットになることが多かった。そのため、CBのビビアンあるいはIマルティネスが競ることが多かった。その際、下図のように一方のCBとボールサイドのSBは、競りに出たCBの後方のスペースをカバーしていた。さらに、セカンドボールを拾るために、アンカーの位置立っていたダニ・ガルシアやその他中盤の選手がボール周辺に密集していた。


 

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