見出し画像

パスコースを塞ぐ(マンチェスター ユナイテッド に見た、ミドルプレス)

20/21 プレミアリーグ 第6節
マンチェスターU vs チェルシー

~マンチェスター・ユナイテッドに見た、縦へのパスコースを塞ぐミドルプレス~

 今回は、先日行われたプレミアリーグ第6節のマンチェスター・ユナイテッドvsチェルシーにて見られた、ミドルプレス時のユナイテッドのパスコース限定の上手さについて紹介していきます。


スタメン(home : マンチェスターU)

画像1

(away : チェルシー)

画像2

結果 : マンチェスターU 0 - 0 チェルシー
( 前半 0 - 0、後半 0 - 0 )


マンチェスターUの守備
(プレッシング : ミドルプレス)

① 開始点
 この試合、マンチェスター・ユナイテッドはプレッシング時には基本的に下図のエリアがプレッシングの開始点となる守備的プレッシング(ミドルプレス)を行っていた。
(時間帯に応じてハイプレスも行っていた)

画像3


② 陣形
 ミドルプレス時の陣形は下図のようになる。(数字であらわすなら4-2-4)
 このとき、FWの位置に立つラッシュフォードとB・フェルナンデスは相手ボランチへのパスコースを消すように立つ。

画像4


③ 追い込み方とスイッチ
 追い込むエリアはサイドのエリアで、具体的な追い込み方としては相手ハーフDF(サイドのCB)にボールが入ったところをSHのD・ジェームズ(左)、マタ(右)が大外の相手ウイングバック(WB)へのパスコースを消すように外切りで立つ。また、FWのラッシュフォードとB・フェルナンデスは常に相手ボランチへのパスコースを消すように立つ。このとき、ハーフスペースで下りてくる相手ウイングをあらかじめボランチのマクトミネイ(右)あるいはフレッジ(左)がマークする。
 そして、スイッチは相手ハーフDFのパス出しで、縦方向またはサイドにボールが入ったところをアグレッシブなプレスをかける。ここで、全体がボールサイドにスライドしてボールサイドで数的優位を作り、マンマークで対応する。また、基本的に相手WBに対してはSBのワンビサカ(右)とルーク・ショー(左)がアプローチする。

画像5

画像6

画像7

 また、下図のように大外に立つ相手WBにボールが入ってしまったときも同様。

画像8

画像9

画像10

 逆サイドへのサイドチェンジに対しても同様で、相手ハーフDFのパス出し(ロングボール)をスイッチにボールサイドでアグレッシブなプレスをかける。

画像11

画像12

 また、ボールサイドへのスライドが間に合わず、SH(D・ジェームズ、マタ)の外切りができない場合は、そのまま相手ハーフDFのパス出しをスイッチに相手WBに対してSHがアプローチする。

画像13

画像14


 ユナイテッドのミドルプレス時のパスコースの限定の仕方は非常に素晴らしかったと思います。
 相手3バックに対して前線に4枚配置することで、相手DFからのパスコースをほとんど消してしまうというアプローチは非常に面白かったです。特に、FWの位置に立つラッシュフォードとブルーノ・フェルナンデスはおそらく相手ボランチへのパスコースを消すというタスクを与えられていた中で、非常に見事な仕事をしていました。
 また、前線に4枚配置した分ボランチの2枚には守備時に広範囲をカバーできるマクトミネイとフレッジを置くことで、危険な中央のエリアやハーフスペースを効果的にカバーできていました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?