見出し画像

【エマルジョンって何?】ボールペンのインクの種類をまとめてみた。

デジタル化が進む世の中ですが、文房具コーナーを訪れると、ボールペンの種類の多さに驚かされます。

油性、水性はなんとなく分かるけど、エマルジョンって何…!?

ということで、ボールペンのインクの種類について調べてみました。


ボールペンインクの中身は、大きく分けて以下の材料で出来ています。

  • 溶剤(ベース)

  • 着色剤(色素)

  • 樹脂

  • 添加物

このうち、インクの分類で重要なのは「着色剤」「溶剤」です。

1. 着色剤の違い

インクの色のもととなる着色剤(色素)は、「染料」「顔料」の2種類です。

染料と顔料を混合したインクもありますが、本記事では省略させていただきます。

紙面への着色のイメージ

(1) 染料

溶剤(水や有機溶剤)に溶けている着色剤は、「染料」と言います。

染料は、紙に染み込むのが特徴です。


(2) 顔料

溶剤に溶け込まず、分散している状態の着色剤を「顔料」と言います。

顔料は、紙に染み込まず、表面に乗っかった(付着した)状態になります。

染料と比べて、耐水性や耐光性が高い傾向があります。


2. 溶剤の違い

インクの材料を混ぜ合わせ、液状にする役割をもつのが溶剤(ベース)です。

インクのベースは大きく分けて「油性」「水性」の2種類。

これらの派生として「ゲル(ジェル)」「エマルジョン」が加わります。

(1) 油性

溶剤に「揮発性有機溶剤」を主に使っているボールペンインクを「油性インク」と言います。

着色剤は、「染料」が使われることが多いです。

油性インクの特徴

  • 乾きが早い

  • 耐水性が高い

  • 粘度が高い

    • かすれやすい

    • インクだまりが生じやすい

油性インクは水には強いですが、油には弱いです。身近なものでは、消毒用アルコールや、除光液に濡れると、筆記跡が溶けてしまうので気を付けましょう。


(2) 水性

溶剤に「水」を主に使っているボールペンインクを「水性インク」と言います。

着色剤は、「染料」が使われることが多いです。

水性インクの特徴

  • 耐水性が低い

  • 粘度が低い

    • かすれにくい

    • インクだまりが生じにくい

    • 書き味が軽い

  • 乾きが遅い

    • にじみやすい

    • 裏抜け(紙の裏までインクが染み込む)しやすい

ペン先が乾きやすいため、ペン本体はノック式が少なく、キャップ式が多いです。


(3) ゲル(ジェル)

水性インクの派生として誕生したのが「ゲルインク(ジェルインク)」です。

分類としては、水性インクの一種で、水性ゲルインク(ジェルインク)とも呼ばれます。


溶剤は、水性インクと同様に「水」を主に使用していますが、ゲル化剤によってより粘度が上がり、プルプルとしたゲル状になっています。

ところが、筆記時にペン先からインクが出る瞬間だけ粘度が下がり、サラサラと軽い書き味になります。


着色剤は、「顔料」が使われることが多いです。

ゲルインク(ジェルインク)の特徴

  • 水性インクより、粘度が高い(ゲル状)

  • 筆記時は粘度が下がるため、書き味は軽い

    • かすれにくい

    • インクの減りが早い

  • 水性インクより、耐水性が高い(顔料の特徴)

カラー展開が豊富な商品が多いのも特徴です。


(4) エマルジョン

油性と水性、両方の溶剤を使ったインクが「エマルジョンインク」です。

エマルジョンとは、英語で「乳化・乳液」を意味し、油の中に水が分散している状態、または、水の中に油が分散している状態を指します。


ボールペンに使用されるエマルジョンインクは、油性成分 : 水性成分 = 7 : 3 〜 8 : 2 程度であるため、油性インクの一種に分類されます。

油性インクに似たメリットを持ちつつ、粘度が下がることでより軽い書き味になります。


着色剤は、「顔料」が使われることが多いです。

エマルジョンインクの特徴

  • 油性インクより粘度が低い

  • 耐水性が高い

  • 乾きが早い


着色剤と溶剤の組み合わせ

ここまでに紹介した「着色剤2種」と、「溶剤4種」の組み合わせによって、インクの種類を分けることができます。

太字は主な組み合わせ

「フリクションインキ」をはじめとした色が消えるインクは、ゲル顔料インクに含まれます。


まとめ

ボールペンのインクの種類をまとめてみました。

インクの特徴を知って、お気に入りのボールペンを見つけましょう。

好みは人それぞれ。気分によっても使い分けるのもよいですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?