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1st (戯)曲アルバムについてメンバーで話してみた【前半】/「Terra Australis Incognitaが消えるまで」

現在発売中の「譜面絵画 1st (戯)曲アルバム『Terra Australis Incognita』」は、8編の戯曲からを収録しています。ここに会場限定(戯)曲が各会場ごとに追加されていき、上演順のバリエーションおよび表現できる範囲は拡張を続けます。

今回はアルバムに収録されている曲についてをメンバー同士で話してみました。『Terra Australis Incognita』を読まれた方も、まだ読まれていない方も、いろんなイメージをされながらこの記事をお読みただけると幸いです。

▼戯曲アルバムとは?▼

▼『Terra Australis Incognita』とは?▼


今回の参加者(譜面絵画)

大川あやの
小見朋生
河﨑正太郎
三橋亮太
宮ヶ原萌

本編

三橋 おはようございます。
全員 おはようございます。
三橋 本日は譜面絵画のメンバー5人全員で、今リリースされている「譜面絵画 1st(戯)曲アルバム『Terra Australis Incognita』」について、一(戯)曲ずつの雑観をそれぞれざっくり話していこうと思います。よろしくお願いします〜。
全員 よろしくお願いします〜。

初鳴日


三橋 収録順で話していきましょうか。じゃあまず一(戯)曲目の『初鳴日』ですね。どうですかね。あのちょっと、作者がこんな感じで仕切ることに違和感があるかもしれませんがご容赦ください。それでは手を挙げてくれた河﨑さん、お願いします。
河﨑 自分は良いな〜と思いますね。始まる感じというか、割とそれぞれの(戯)曲もある程度どこから始まってもいいように設えてるんだけど、すごい明確に始まる感じが示されてる(戯)曲ではあるよね、『初鳴日』は特に。
小見 確かにね。
河﨑 イントロというか、かなり(戯)曲がはじまった感というか、アルバムの一(戯)曲目にふさわしい感じのイメージ。
宮ヶ原 わさ(=河﨑)が言った通り、「Terra Australis Incognita」がここから始まるから、この(戯)曲は何かを想起させたりする力があるというか、自分たちがイメージするきっかけになる(戯)曲だなと思います。
三橋 いいですね、ありがとうございます。いいワードですね「想起させる」って。
小見 僕は『初鳴日』って名前から入りました。どういうあれなんだろうなって思って検索したら、ネットではウグイスが初めて鳴いた日みたいな感じで出てきましたね。で、初めて台本を渡された当時にも、始まりの本なんだなって感覚があって、春が始まる時ってパッと始まるんじゃなくて、そろそろ春っぽいなって感じでゆっくり移り変わっていくじゃないですか。そういう感じでこの(戯)曲もスロースタートっていうか、徐々に仕掛けみたいなのが増えていく予感がしました。他の本も全体的に読んで思ったことではあるんだけど、『初鳴日』はあんまり入り組んでないっていうか、単純な仕掛けから、だんだんと景色の話をしたりして、ここからゆっくり始まる、滑走路的な本なんだなっていう印象を僕は受けましたね。あと「ちょっと聞いて欲しいんですけど」ってセリフが、アルコ&ピースの漫才コントの始まり方だなって思ったりしたのと、最初の2人の言い合いがなんかミルクボーイっぽくなっちゃうなっていう。別に違うんだけど自分の頭の中でなんかミルクボーイっぽくなっちゃうなって。
三橋 なるほど〜。のっち(=大川)どうですか?
大川 私はどちらかと言うと見てる側にいる人だから、感想があんま深くないかもしれないんですけど、最初に2人が登場するって、漫才みたいな始まり方じゃないですか。だからそれが「始まり」って感じもするけど、この台本は組み替えられるんだって思った時に、この『初鳴日』が間に挟まって上演されたらどんな感じなのかなっていうのが結構ドキドキしそうだなって思ったりします。
三橋 あ それ、実は次回以降の公演でやるかもです。
大川 『初鳴日』は「祖師ヶ谷大蔵 ver.」では最初にやったもんね。「こんにちは〜」って出てきてさ。でもやっぱ今言ったそれが気になるし、それを体感出来たら楽しいだろうなって思いましたね。
三橋 そうですね。ありがとうございます。
河﨑 この後の流れとかを考えるとさ、やっぱ、ここから想像力を積み上げていくイメージはあるよね。

FOLKLORE


三橋 次行きます。二(戯)曲目は『FORKLORE』です。いかがでしょうか。
宮ヶ原 『FORKLORE』は、シーンの切り替わりが多いけど分かりやすいんですよね。私は『FORKLORE』のぶっ飛んでる感じ?が好きで。世界観が押し寄せてくる感じのセリフが結構出たりするんですけど、そこが魅力かなって思います。土地柄についての話だったりとか、すごく楽しいなって思います。
三橋 ありがとうございます。
小見 『FORKLORE』はなんとなく楽しいなーって以前上演した時に思ったんですけど、この(戯)曲って真っ当だよね。真っ当なシーンの重ね方をしてるよね。シーンの移り変わりとかが、演出とか上演ありきで考えられた本だなっていう印象です。演劇的って言うのがどういう意味を指すかわかんないけど、この本は何となく演劇的だなって感じがしてる。あと良い意味で結構あっさりしてるなって思ってる。それは多分、それぞれの登場人物同士のドラマを語るんじゃなくて、こういうのがあったよっていう情報をポンポン置いていく感じだからだと思うのね。つまり歴史?を読む感覚が強い本なのかなって感じ。タイトルの通りに、民間の伝承というか土地の伝承みたいなのを語るための本なんだなっていう感じです。
三橋 ありがとうございます。
河﨑 会話がどんどんドライブしていく感覚が『FORKLORE』にはあって、それは初鳴日とは違って、違和感があるっていう言い方が正しいかわからないけど、違和感のある話を積み重ねていく先にだんだん外殻が見えてくる感じがする。これから話していく場所や土地の陰影が見えてくる感じ。この次の(戯)曲「新世界よりも」で深まっていく面影、みたいなのもすごい見え隠れしているような感じもしましたね。
大川 ぶっ飛んでる?感じがっていう話があったと思うんですけど、私もそういうイメージがめちゃめちゃ強いなと思っていて。それと、なんかスッと面白いなって思うかも1番。あ、これは面白いかもしれんぞ、っていう気持ちをより強く感じるかな。

新世界よりも


三橋 続きまして、『新世界よりも』に行こうと思います。わさが出演した最後の作品でもあります。
河﨑 そうね。ものすごい覚えているのは、終わり方がすごい印象的だな〜って思ってるな。それを今は、アルバムとしてこの(戯)曲を読んでいるのも手伝って、強くそれを感じるかも。10文字くらいの言葉で他人を感じられるんだよね。その一言を足すだけで人を感じるっていうのは、改めてやっぱ面白いなって思ったし、全体を通してみると、FORKLOREで語られていたガイドラインやアウトラインみたいなものをさらに深く、そこの土地の負の歴史というか、積極的に語られてないポジティブな歴史ではないものがこの(戯)曲では掘られてるよね。だからここで方向性が定まるというか、やりたいことの種がここにあるんじゃないかなって思う。三曲目って言うのも面白い位置だなとも思うし。
三橋 なるほど。お、萌ちゃんどうぞ。
宮ヶ原 私もこれが、出演している回数としては1番多いんですけど、全体を通してみた時の、異世界感が結構ある(戯)曲で、他の話とはちょっと違う話なのかなって思うね。でもそういう部分も、(戯)曲の組み合わせによってすっごいリンクするところがある。あと最初に読んだ時もそうだったんですけど、え、それ言っちゃうのって感じで、感情的な言葉でしゃべってる部分が、(戯)曲のシステムによって時代がどんどん深まっていくんだよね。だから、その時の状態だったら絶対に喋れないような話を、今だったら話せているみたいなところで、どの(戯)曲よりも深いエネルギー量があるなって思うね。やっぱり過去に思っていたこととかを喋るのって良い時間だよね。昔こうだったよね、みたいなのって楽しいし、その時のことを思い出してちょっと涙を流すこともある。みたいな全部のイメージ。
小見 さっきもちょっと出たけど、強い言葉だったりとかがセリフとして言えるなって思ったのは、話体が霊体というか、今ここにいない人が喋ってるんだよって感じのセリフがあるからかなって思ってるね。完全に達観した感じの、他の本とは違う人同士の距離感をそれぞれが持っているから、逆に強い言葉も出てくるのかなと思ったりもする。なんか遠い距離感だけど、それれらを振り返っているから感情は近い、みたいなね。物事に対して直接の感情じゃなくて、それが起きたってことへの振り返りからの感情が出てる感じの(戯)曲だよね。
三橋 ありがとうございます。
大川 『新世界よりも』はリード(戯)曲として、アルバムよりも先にリリースされたよね。それで当時の自分はこの(戯)曲にパラレルワールドみたいなのを感じたのよね。ここの話はなんか、民族的、生活的基盤の上にある雰囲気だけど、その中でも宇宙にいる、みたいな。急に放り出されたかもって結構焦るんだけど最後の「って、話したんだよね。」って言われて、あー戻ってきたな、って思えたよね。なんかポーンって放り出されて、ゴムで急に引き戻されるみたいな雰囲気だった。
三橋 みなさん、ありがとうございます。次は『ビオトープ』に行きたいと思います。えっと、みなさんお気づきかもしれないんですけど、まだ3(戯)曲目です。ですので、残りは後半戦として公開しますね。

お読みいただきありがとうございます。
前半はここまでです。

後半は、
『ビオトープ』・『Log』
『銀貨(裏)』・『ツーリズムガイド』
『緑と青の全貌』について、話していきます。

また、メンバーのオススメしたい(戯)曲もご紹介します。
後半の公開は近日を予定しています。もう少々お待ちください。


譜面絵画 1st(戯)曲アルバム『Terra Australis Incognita』
▼ご購入はこちらから▼
https://fumenkaiga.wixsite.com/fumenkaiga/album

収録(戯)曲
1. 初鳴日
2. FOLKLORE
3. 新世界よりも
4. ビオトープ
5. Log
6. 銀貨(裏)
7. ツーリズムガイド
8. 緑と青の全貌

譜面絵画 vol.11『Terra Australis Incognita』
③ 吉祥寺 ver.

▼チケットはこちらから(Peatix)▼
https://fumen11.peatix.com/
▼チケットはこちらから(PassMarket)▼
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01hyta11h6vsh.html#detail

【会場​】
吉祥寺シアター

【日時】 
2021年3月14日(日)
13:00 / 18:00

【出演】
小見朋生(譜面絵画)

宮ヶ原萌(譜面絵画)
川端真奈
新藤みなみ(中野成樹+フランケンズ)
高橋星音(無名塾)
中村康太郎(人生旅行)
中山正太郎(無名塾)
松﨑義邦(東京デスロック)
三河美優
村山和弥(三輪舎)



【映像出演】

南風盛もえ(⻘年団)

黒澤多生(⻘年団)

【スタッフ】

脚本・演出・宣伝美術 三橋亮太(譜面絵画/⻘年団演出部)

舞台監督 篠崎うらら

照明 黒岩玲音
制作 大川あやの(譜面絵画) 河﨑正太郎(譜面絵画)
制作助手 落合比奈
美術アドバイザー 白金里菜

協力:三輪舎/人生旅行/青年団/東京デスロック/中野成樹+フランケンズ/無名塾
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京


●ドネーション
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譜面絵画の「DONERU」
https://doneru.jp/fumenkaiga

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