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【CIX考察】Jungle -CONCEPT VIDEO-


考察第5弾です。

前回の記事はこちら↓


前回は番外編でお送りしましたが、今回からいつも通りの考察に戻ります。




ついにダンテの神曲の内容が本格的に出てきます。

この記事で神曲は地獄、煉獄、天国からなる死後の世界を描いていると説明しました。


今回考察するJungleは、3つの世界のうち地獄にあたる内容です。



ダンテの描く地獄界は以下のような構造をしています。(今回の考察で関わる部分のみ記載)

地獄の門をくぐると、地球の中心に向かって漏斗の形を成すように第一層から第九層までの層が存在します。また、第七層から第九層は罪の種類によって層の中がさらに細分化されています。

罪を犯した人は罪の重さによって決められた層に振り分けられ、そこで罰を受けることになります。



Story Filmでそれぞれが犯した罪が、JungleのMVで受ける罰の要因となるのです。



では、JungleのMV考察…の前に、Story FilmとCONCEPT VIDEOから5人の罪と罰について考えていきたいと思います。


CONCEPT VIDEO 1 : 火

ビョンゴン×火

第八層 悪意者の地獄、第八の嚢 謀略者
 他者を欺いた者が、我が身を火焔に包まれて苦
 悶する

Story Filmでビョンゴンがヨンヒのいじめを見て見ぬふりしたシーンが"他者を欺く"に当てはまり、教科書など自分の持ち物を燃やすシーンが"我が身を火焔に包まれる"に当てはまると推測できます。

CONCEPT VIDEOでも、まるでビョンゴンが火に包まれているようなシーンがありました。


"欺く"は"騙す"という意味なので、ヨンヒを見て見ぬふりしたことを欺いたと言うには少し違う気もしますが、この罪と罰が一番当てはまるのでこれで通します。(強引)
もしくは、今後もっと罪の部分に当てはまる内容が公開される可能性もあります。


NumbのMVやEpilogue 02のビョンゴンと火の描写も、地獄で受ける罰を表していたんですね。

真ん中で自分の名札が炎に包まれるEpilogue 02のシーンがまさに、我が身を火焔に包まれるを表現しているように感じます。



CONCEPT VIDEO 2 : 水

ヒョンソク×水

第八層 悪意者の地獄、第二の嚢 阿諛者
 阿諛追従の過ぎた者が糞尿の海に漬けられる

阿諛追従(アユツイショウ)とは相手に気に入られようと媚びへつらうことです。

タイトルが水であることと、Story Filmで父親への気持ちが諦めきれない様子が描かれていたためここに当てはまるかなあ、と考えたのですが…

全然腑に落ちません。

そもそも父親に対するヒョンソクの行動は阿諛追従ではないと思いますし、むしろヒョンソクの父親が地獄に行くべきできではないかと。^_^

すみません、取り乱しました。

納得いきませんが他に当てはまる罪がないのと、父親の話は必ず関わると思うので、このていで話を進めていきます。

罪の話をしましたが、"ヒョンソクと水"にはもう一つの意味があるのではないかと思っています。
これについては次のJungleのMV考察でお話しします。



CONCEPT VIDEO 3 : 沙

スンフン×沙

スンフン以外の4人は断定できなくても、推測できる程度にはStory Filmで"罪"と思わせる描写がありました。

しかし現時点でスンフンだけ、罪を匂わせる描写が全くないんですよね。

なので、CONCEPT VIDEOのみで絞った罪の推測と罰を紹介します。考えられるのは2パターンです。①、②とします。

第八層 悪意者の地獄、第六の嚢 偽善者
 偽善をなした者が裏地が鉛でできた美しい外套に
 身を包み、ひたすら歩く

外套を着て歩き続ける人々


外套(ガイトウ)とは簡単に言うとコートや雨合羽のようなものです。

地獄に出てくる外套は見た目は軽そうでも、内側が鉛でできているのでめちゃくちゃ重いみたいです。

外套を着て重い足取りで歩いてるシーンから、第六の嚢で罰を受けていると推測できます。
そうなると、スンフンの罪は"偽善"になります。

しかし、タイトルは"沙"です。
①の罰では砂が関係していません。

確かにCONCEPT VIDEOでは砂の上を歩いていますが、神曲の中で①の罰が行われる場所には砂の描写が出てきません。

ここでもう一つのパターンが考えられます。

第七層 暴力者の地獄、第三の環 神の自然摂理に対する暴力
 神および自然の業を蔑んだ者や、男色者に火の雨
 が降りかかる

②の場所には熱砂が広がっています。灼熱の砂漠です。タイトルの砂が登場します。

画像だとわかりませんが、スンフンが歩いている砂の道も陽炎のように揺らいでいたので、おそらく熱砂でしょう。その点でも共通しています。

熱砂の上に放置され、上からは火炎が雨のように降り注ぐ。これが②の罪を犯した人が受ける罰です。

熱砂の上で火の雨を受ける人々


この場所では、神が決めた自然の摂理に違反した人が罰を受けることになります。自然の摂理に違反した人とは、涜神者や高利貸し、男色者です。

涜神(トクシン)は神をけがすこと、高利貸しは高い利息で金銭を貸すこと、男色(ナンショク)は男子の同性愛のことをいいます。

ダンテが重んじていたキリスト教では同性愛は罪とされていたため、神曲の世界でも同じように罪として描かれています。



罰に関して、これまで"砂"と書いてきましたが、タイトルは砂ではなく"沙"表記でした。沙は水辺の砂地を意味します。

神曲の中で、②の場所にある砂漠には川が横切っていると書かれています。
スンフンも川の付近を歩いていることを示すために、タイトルを"砂"ではなく、あえて"沙"にしたのではないでしょうか。

灼熱の砂漠、水辺の沙。神曲の情景と照らし合わせると、②でも十分にありえます。
この場合スンフンに考えられる罪は、高利貸しか男色になります。(涜神は物語からズレている気がするので候補から外します)


①か②、それともどちらの意味も含んでいるのか。スンフンについては謎だらけです。



CONCEPT VIDEO 4 : 氷

ジニョン×氷

第九層 裏切者の地獄
 裏切りを行った者が永遠に氷漬けにされる

ヨンヒを助けるべき立場であったにも関わらず助けなかったことが、ジニョンが犯した裏切りという罪だと思われます。


また、第九層は涙も凍るほどの極寒の地だそうです。

吹雪の中、寒さに苦しむジニョンの様子からも第九層を表しているとわかります。


地獄の最下層に存在し、最も重い罪を犯した人が罰を受ける場所である第九層。
最も重い罪、それがまさに裏切りです。



CONCEPT VIDEO 5 : 木

ヨンヒ×木

第七層 暴力者の地獄、第二の環 自己に対する暴力
 自ら命を絶った者が奇怪な樹木となり、ハルピュ
 イアに啄まれる


これはわかりやすいですね。

自ら命を絶って地獄に行くなんてなんとも酷な話だな…とは思いますが、神曲はキリスト教と関係しているので、特別おかしい話でもありません。

キリスト教に限らず、多くの宗教が人間の命は神のものだと考えていました。それゆえ、神の持ち物である自分の命を勝手に傷つけることは罪に値するということです。

ヨンヒのいる第二の環は、自殺者の森と言われていました。

自殺者の森

黒ずんだ葉、花も実もなく、枝は歪な形で曲がり、そこに生えた棘には毒が含まれている…そんな森だったそうです。

森の中にいるヨンヒ。

顔は傷だらけです。
これは怪鳥であるハルピュイアに啄まれたことを表していると思います。

画像だと見にくいですが、最後のシーンの手前に見える黒い影も鳥の形をしています。(見えてるのはくちばしの部分)
上にも鳥が飛んでおり、ハルピュイアの存在が示されていました。

ヨンヒの両側には人のようなものも見えます。これが樹木となった人を表しているのでしょう。


ちなみに、実際のハルピュイアは人面鳥のような姿形をしています。さすがに人面鳥を登場させることはできないのか、ここでは普通の鳥の形です。



まとめると以下のようになります。(左から罪・罰)

ビョンゴン:欺き・火
ヒョンソク:阿諛追従・水
スンフン:偽善?高利貸し?男色?・沙
ジニョン:裏切り・氷
ヨンヒ:自己への暴力(自殺):木

罪にあたる部分が現時点で公開されているものもあれば、まだあやふやなものもあるので、引き続き5人の動きに注目です。


以上がStory FilmとCONCEPT VIDEOで見る5人の罪と罰になります。


神曲の話が絡んでくると、知識不足による間違った考察が増えてしまうかもしれませんが、温かい目で見守っていただけると嬉しいです..ㅜㅜ



次回からJungleのMVの考察に入ります。

最後までお読みいただきありがとうございました。
また次の考察でお会いしましょう~ あんにょん!




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