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ヨーロッパのオススメ観光地

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実際に訪問して撮ってきた写真と共に紹介していきます。
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2019年7月の記事一覧

鉄道が船で海を渡る 渡り鳥ライン乗車記 【デンマーク〜ドイツ】

鉄道が船に格納されて海を渡る様子を見たことがあるでしょうか? これは車両航送といい、車両を船に乗せて海や川を渡るというというもので、一般的にはカーフェリーを指しますが、鉄道を船に積み込み輸送する場合もあります。 かつての日本でも、函館と青森を結ぶ青函連絡船や、玉野(岡山)と高松を結ぶ宇高連絡線において鉄道の車両航送は行われていました。 現在でも地図上でその名残を発見できます。 日本の鉄道車両航送は青函トンネルの開通や瀬戸大橋の開通と共に役目を終えはしましたが、現在でも

ヨーロッパの美しい図書館その6 アドモント修道院図書館 【オーストリア】

私が世界で最も美しいと思う図書館、 それがアドモント修道院図書館(The library of Admont Abbey)です。 思わず息を飲み込むほど美しいその白亜の図書館は、 見るもの全てを圧倒します。 アドモント修道院図書館 およそ1年前にこの図書館の存在を知ってから、 「自分は必ずここに行くんだ!」という強い意識を持って旅行の計画を練ってきました。 そして令和元年最初の日にアドモント修道院図書館を訪問したのでした。 出会いから、準備、そして達成までを含めて一

チェコの偉大さに触れる 国立技術博物館 【チェコ】

チェコという国名を聞いて何を思い浮かべるでしょうか? ビール?プラハ?ビロード革命…? 恥ずかしながら、私は海外旅行に興味を持つまで「チェコ=ヨーロッパの片隅にあるホップの産地」程度のイメージしかありませんでした。 ところが実際に訪問してみると「こんなに素晴らしい国が存在するのか…!」と驚いたものでした。 物価は安いし、ビールは美味しいし、見えるもの全てが美しいし、治安は比較的良いし、インフラは整っているし。 …とはいえ、プラハしか行ったことないのですが。 そんなチ

ヨーロッパの美しい図書館その5  オーストリア国立図書館 【オーストリア】

オーストリアの首都ウィーンにはヨーロッパで隆盛を極めたハプスブルク家が600年以上に渡り王宮兼居城として利用してきたホーフブルク(王宮)があります。 そしてハプスブルク家はその宮殿の中に自らの図書館を持っていました。 それがオーストリア国立図書館(Österreichische Nationalbibliothek)です。 オーストリア国立図書館(プルンクザール) このバロック様式の図書館は神聖ローマ皇帝カール6世によって1730年に建てられました。 16世紀以降に記

ストックホルム旧市街を一望できる展望台 【スウェーデン】

ストックホルムはスウェーデンの首都であり、北欧最大の都市です。 ノーベル賞の授賞式が催される都市と言えば「ああ、あそこね!」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ストックホルム(Stockholm)とはスウェーデン語で「丸太の小島」という意味です。 元々は13世紀に、ある島(スタツホルメン島)が都市兼砦として機能するように、島の周囲を丸太で囲まれたことに始まります。 これがやがて近隣の島々にも波及し、この辺り一帯は丸太で囲まれた島だらけになりました。 こうして丸太

豪華絢爛 聖マリア教会 【ポーランド】

ポーランド南部の古都クラクフは世界遺産登録第一号のうちの一つであり、近隣の町には同じく世界遺産登録第一号のヴィエリチカ岩塩坑やアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所などがあります。 (一部のマニアにしかお勧めできませんがベクシンスキー・ギャラリーもクラクフにあります)。 ただただクラクフの街の中を歩いていても、十分に楽しいのですが、そんなクラクフのには街の大きなシンボルがあります。 それが聖マリア教会(The Basilica of Virgin Mary)です。 聖マリ

世界最大のジグソーパズル フラウエン教会 【ドイツ】

ドイツの首都ベルリンより南に約200kmに進んだところ、チェコとの国境付近にかつてザクセン王国の首都だったドレスデンはあります。 ドイツの都市において人口第13位という、いまいちピンとこない規模の都市ですが、この地には世界最大のジグソーパズルとも呼ばれたフラウエン教会(聖母教会、Frauenkirche Dresden)があります。 フラウエン教会 外観 この教会は18世紀前半に建てられ、以後ドレスデンのシンボルとして親しまれてきたバロック様式のプロテスタント教会です。

フィレンツェの夜景と小道 【イタリア】

イタリア中部の古都フィレンツェには街のシンボルとしてサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂がありますが、これを見下ろせるミケランジェロ広場という高台があります。 そこに向かうまでの小道が中々エモかったので、今回はそこを紹介したいと思います。 ここで紹介している写真は一部を除きホワイトバランス:日陰で撮影しています。 ルート私は当時サンタ・マリア・ノヴェッラ教会近くのホテルに宿泊していました。 そこから出発し、サンタ・トリニタ橋を通ってアルノ川沿いを進むというルートです。

ヨーロッパの美しい図書館その4 ザンクト・フロリアン修道院図書館 【オーストリア】

オーストリア国内には多数の美しい修道院が存在します。 中でも首都ウィーンと音楽祭で有名な都市ザルツブルクの間にある、第3の都市リンツ(Linz)周辺には、これから紹介するオーストリア最古のザンクト・フローリアン修道院図書館(聖フロリアン修道院 Stift St. Florian)や、クレムスミュンスター修道院図書館(Stift Kremsmünster)そしてアドモント修道院図書館(Stift Admont)などの美しい図書館があります。 各都市からリンツへの鉄道での所要時

閲覧注意 3回見ると死ぬ? ベクシンスキー・ギャラリー 【ポーランド】

ネットで偶に形容しがたい不気味な絵画に出くわすことがあります。 それらは面白半分で「3回見ると死ぬ絵」などという文言とともに紹介されています。 シュルレアリスムを用いた作風のマグリットやダリの絵がそうした悪ふざけに利用されていることもありますが、最も多いのがズジスワフ・ベクシンスキー(Zdzisław Beksiński)であることを疑う人は少ないと思います。 ベクシンスキーの作品は退廃的で、空虚で、死を連想させるようなものが多いのですが、精神に異常をきたしていた…という

キュビズム建築の代表作 黒い聖母の家 【チェコ】

チェコの首都プラハは「建築博物館」とも呼ばれ、ロマネスク、ゴシック、ルネッサンス、バロック、アールヌーヴォーなど様々な建築様式の建物があります。 その中でもプラハにしかないと言われているのが、キュビズムという様式で建てられた建築です。 キュビズムとは立方体のキューブ(Cube)に由来する言葉で、誤解を恐れずに言えば、対象を多面的に見た場合の様子を一つの面で同時に表現する芸術的表現のことです。 そしてキュビズム様式の建築はキュビズムの考えを応用し、キューブ(立方体)を至る

ヨーロッパの美しい図書館その3  ストックホルム市立図書館 【スウェーデン】

私とヨーロッパの美しい図書館との最初の出会いは、プラハのストラホフ修道院図書館でした。 当時「世の中にはこんなにも美しい図書館があるんだ!」ととても興奮したのを覚えています。 以降、世界の様々な美しい図書館を調べているうちに出会ったうち一つが、このストックホルム市立図書館(Stockholms Stadsbibliotek)です。 ストックホルム市立図書館 この図書館の存在を知ったのが2018年1月頃、そして6月にストックホルム行きの航空券を買い、2019年4月に念願

名画をゆっくり鑑賞 マウリッツハイス美術館 【オランダ・ハーグ】

オランダにはアムステルダム国立美術館、ゴッホ美術館、エッシャー美術館、ボイマンス美術館(ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館)など様々な著名で格式のある美術館が存在します。 オランダ第3の都市ハーグ(デン・ハーグ、Den Haag)にあるマウリッツハイス美術館(Mauritshuis Museum)もその例に漏れず、レンブラントの『テュルプ博士の解剖学講義』、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』『デルフトの眺望』などのオランダを代表する画家の名作が収蔵されています。 中

荘厳な地下礼拝堂 ヴィエリチカ岩塩坑 【ポーランド】

世界遺産への認定は1978年から始まり、その数は年々増え続けています。 中でも最初に登録された12の世界遺産は根強い人気を誇ってます。 その12種類の中にはガラパゴス諸島、イエローストーン国立公園などがありますが、ポーランドからは2箇所も登録されました。 それがクラクフ歴史地区とヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群です。 今回はヴィエリチカ岩塩坑の紹介をしたいと思います。 1.まずはヴィエリチカ岩塩坑の荘厳さを見て欲しいヴィエリチカ岩塩坑はその名の通り、岩塩を採掘する