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私たちは閉塞している【#映画感想文】

映画の予告を見るのが好きだ。

わずか数分の映像の中に、「どんな映画だろう」と観客に思わせる工夫を凝らしていて見応えがある。

唐突だが、ハチャメチャな映画を見たくなった。
頭をカラッポにして見られるような、馬鹿馬鹿しいくらいに、派手な作品がいい。

マスク生活も3年目に突入。
きな臭い世界情勢とか、年度末で仕事が忙しいとか、とにかく窮屈な自分のキモチを解放させる作品を見たくなった。

で、めちゃめちゃ好みの映画予告を見つけた。

ガンパウダー・ミルクシェイク

主人公、凄腕の女性の殺し屋。
舞台は図書館、派手なドンパチ、分厚い書籍の中には武器がしこたま隠されている。
なんて、ワクワクするシチュエーション。

ポップでカラフル、テンポのよい予告映像に、
「コレ、絶対好き!」と思った。

ただ要注意なのが、予告というのは面白い部分を繋げているというところだと思う。
一番面白かったのが予告、という作品だって珍しくない。(どの作品か、とは言わないけどさ)

めっちゃ気になる!
でも面白くなかったら、荒んだキモチになりそうだ。
恐る恐る見に行くことに…。

結論。
大当たり。すげぇ、好みの映画だった!!(私は)
映画館で、もう1回見たい。それくらい好みだった。
期待を裏切らない本編で、むしろ驚き。

まず、なんたって出てくる女たちが、強いのがイイ。
媚びず、諦めず、ホント憧れる。
ムダに恋愛シーンとかなくて、中だるみナシ。

人それぞれ好みがあるので、見る人を選ぶ作品だと思う。

出てくる人たちが殺し屋ばかりなので、当然エグいシーンもある。そこは要注意。

女VS男
ってな構図で、強い女たちが活躍する作品だから、シャクにさわる方もいるだろう。

でも小難しいことを考えずに見られて、母娘の15年ぶりの再会とか、殺し屋たちと小さな女の子の交流とか、胸アツな展開もあるし、コミカルなシーンもあるしで、2時間あっという間だった。
スピード感があって飽きさせない。

日本の昔の作品に影響を受けているのを、感じられるのも嬉しい。
『必殺仕事人』とか『女囚さそり』とかー。
知らなくても大丈夫だけど、知っているとさらに楽しめる。

スカジャンの主人公が、危機一髪ってなって、
武器がない!とか、両手が麻痺した!とか、ヤバい展開。
なのに殺し屋が複数襲ってくるっ。
はたして、どうする!?
なーんて困難な状況も、ありものでなんとかしてしまう姿が、カッコいい。

結局、自分でどうにかするしかないんだよなーと、腹を括ることの大事さを教えてくれる作品でもある。

近頃、やれ節度のある行動をとれだの、コンプライアンスだの、うるさく感じられることが多い。
息苦しいのは、マスクのせいばかりじゃないはずだ。

そんな閉塞している気分の時に、好みの作品に出会えて、大いに楽しめたことはハッピーだった。

こんなハチャメチャな作品、もっとあってもいいのにな。
フィクションの世界ぐらい、派手に暴れたっていいじゃない。
最近、無難な作品ばかりでつまらない。
こんなこと思うの、私だけかしら。

予告を見て、好きかもと思われた方にはオススメだ。

何はともあれこの作品、続編希望である。

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