「ファーレントゥーガ」からネットの世界に触れた

 「ファーレントゥーガ」と言うゲームをご存知だろうか。

 1999年にネット上にて公開されたフリーゲームで、作者あとあと氏が作成した戦略シミュレーションゲームである。

 初めてこのゲームを遊んだのは小学校一年生の時。父親がパソコンで遊んでいるのを目にし、一緒に遊んだのがきっかけである。今振り返ると父は戦略シミュレーションゲームが大好きで(コーエーの三国志とか信長の野望とか)、私も少し影響を受けている。当時は遊んだことのあるゲームが初めて買ってもらったポケモンくらいのもので、ゲーム性が全く違うことに戸惑いながらも勉強しながらこのゲームを学んだ。周りがポケモンを遊んでいる中、この戦略シミュレーションを遊んでいると他の子供たちと自分とは違うのだと言う優越感と、大人の仲間入りを果たしている喜びを感じていた。完全に勘違いをしているイタイ子供である。

 ゲームの紹介に戻ろう。ゲーム概要は架空の大陸で各地の領土を戦争で支配しながら大陸の統一を目指す、お手本のような戦略シミュレーションである。デフォルトシナリオでは14人のキャラクター(ゲーム内ではマスターと呼ばれる)を選択できる。マスターはどれも個性が光っており、一つとして似たような陣営は存在しない。もちろん、選ぶキャラクターによって難易度に差があり、私は物語の主人公格であるゴートⅧ世、またはその敵役の魔法使いであるムクガイアを選んでプレイするのが好きだった。

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 大変味のある顔の皆さん。

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 自陣で内政に励むもよし、他国の領土を責めるのもよしなゲーム内容。最もメインは戦闘ではある。

 小学1年生の時の話なので、今と違って無限に時間がある。学校が終わると友達と遊び、家に帰るとパソコンの前でこのゲームを遊びまくった。ポケモンのような対戦したりが出来るゲームではないのだが、一人っ子だった私には実にうってつけであった。こんなに面白いゲームをただで遊べるなんて、あとあとさんは凄い人だなぁと尊敬したのを覚えている。野球小僧がプロ野球選手に憧れるように、自分もゲーム作成者であるあとあと氏に憧れたものだ。ただ、野球と違うのは、スポーツの場合憧れに近づこうと思えばそこら辺を走ったり、バットを振っていれば上手くなる(もちろんちゃんとしたコーチングも求められるが)。しかし、ゲームを作るとなると、もはや小学生には荷が重い問題だった。今はPCも広く普及しているのでゲームを作る小学生もたくさん出てきているのだろう。その子たちが少し羨ましく、同時に良い時代だとも思う。

 ただ、当時もネット環境はあったわけで、ネットからこのゲームをパソコンに入れたと言うことはゲームの元がネットにあるに違いない!と直感的に考えたのだろう。細かいことはあんまり覚えていない。ここから天才パソコン少年やプログラミング少年が誕生できたら良かったのでけれども、残念ながらそんなことにはならなかった。ただ、yahooで検索することを小学1年生の時に学んだので当時の子供達の中では早熟だったのかも知れない。Googleなんて出来立てだったので父は検索エンジンとしてyahooを使用していた。まさか立場が逆転するなんて。

 そんな訳で見様見真似でローマ字を打ち(最初は父に打ってもらった)、検索してみるとファンサイト、コミュニティサイトにたどり着いた。訪れたコミュニティサイトでは顔も住まいも何もかもわからない人たちが、ファーレントゥーガ の戦略やストーリー、キャラクターについて話していた。リアルでは会ったこともない人たちが自分と同じテーマで繋がり、語り合っている空気感は大変不思議で、とても心地よく感じた。ここでは『キュウリが進化するとスイカになるって面白くない!?』って言っても誰も惹かれないんだという安心感を感じた(そういう名前のモンスターがゲームに登場する。この進化が面白くてクラスの友達に話しても受けなかった)。

 そして、このファーレントゥーガはフリーソフトなので同人ゲーム的にいろんなシナリオがネット上に落ちており、それらがファーレントゥーガ の世界観を広げてくれていた。

 それからしばらくして私の中のファーレントゥーガブームは去ってしまい、次にプレイするのは大学時代になる。大学の夏休み期間、暇すぎて久しぶりにゲームをダウンロードしてみた。当時のWindows環境は確か95か98だったので(xpになって以来ゲームを遊んでいない)、当時使用していたWindows8環境で動くか不安だったが、無事に動きあの頃のままの楽しさがそこにあった。知能も小学生から大学生へと成長しているのでプレイスタイルも賢くなっていると思う。

 以来Windows10環境に移行してからも時々プレイするくらいこのゲームが大好きだ。こんな偉大なフリーソフトを公開してくれたあとあと氏はどうなったかというと、なんとFF15のリードプログラマーをしていたらしい。やっぱり、というかなんというか…こんな凄いゲームが作れる人だもんなぁ。納得の人選である。

 当時は憧れの存在でしかなかったあとあと氏だが、プログラミングを学べる環境にいる今、私が頑張ってファーレントゥーガのようなゲームを目指して作るのもいいかもしれない。とりあえずUnityのダウンロードから始めとこ‥。

#自己紹介をゲームで語る

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