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夢だったウェディングの撮影をしてから [写真いっぱい]

2016年、初めて自分で買ったカメラは、FUJIFILMのX-T1でした。
当時、フジを使っている人を見たことがありませんでしたが、決め手となったのはこの方の記事。

https://fujifilm-x.com/ja-jp/stories/inside-the-camera-bag-of-fujifilm-x-photographer-kevin-mullins/

結婚式の写真と聞くと、画一的なイメージのあった僕はその余りの美しさに衝撃を受けました。
ドキュメンタリーとして撮影されるからこそ、笑顔でなくても成立していて、緊張感のある張り詰めた舞台裏の空気や、そこに至るまでの万感が収められている写真が頭から離れなくなりました。
結婚とは、結婚式とは、生きる営みの一つだったのです。
こんな写真をいつかは撮りたいと、二十歳の僕は思いました。

とはいえ、昔もそして今も、僕は趣味で写真をやっているだけの人間。
普通のブライダルフォトが撮りたいわけでもない。(というか撮れない)
頭の片隅にそんな夢を置きながら指を咥えていたのですが、そんな僕にもチャンスが降りてきました。第一次結婚ラッシュと呼ばれるやつです。
写真が好きなことを知ってくれていた友人が僕に、しかも有償で仕事をくれたのです。
こんなにハッピーなことがあるでしょうか。
一方で、本当に自分でいいのかなと思うこともありました。
新しい門出というほどの人生の一大事、一生残るどころか、子や孫の代まで引き継がれていく可能性すらあるのです。
重みがすごいよ・・・

それでも、夢だったウェディングを撮らせてもらうことにしました。
しかも、気づいたら4度の撮影を行わせていただきました。


写真を撮るとき、僕は基本的にフラッシュは使いません。ブリコラージュのようにその場の環境を活かせるように撮っていきます。
それがいいのかは分かりませんでした。一生残るものだからこそ、その撮り方は押し付けになってしまっていないかと不安になることもありました。
それに、表情やポージングのディレクションもあまりしません。ドキュメンタリーとして撮っているので、レタッチもあまりしないようにしています。そもそも、素の姿が一番美しいと感じてしまうから、自分にはどうもイメージができないのです。
でも、写真は相手の手に渡ります。自分の普段の姿があまり好きでない人もいると思います。
間違いなく、毎回ベストを尽くしてきましたし、自分の納得できるカットも撮れています。でも、一度しかないチャンスで、相手の期待に応えられているのかと考えずにはいられませんでした。


そしてさらに自分の中で生まれた感覚が、「本当にこれは自分が撮ったものなのか?」というものでした。
あくまで自分の基準なのですが、撮れた写真の質が毎回全然違うのです。よく撮れたとか微妙だったという上下のクオリティではなく、撮っているものが変わっているというものでもなく、別人が撮ってるような振れ幅を感じることが、ウェディングを撮っていると顕著にありました。現像すらも変えないといけないと感じることも少なくありません。
作風や個性が大切だと思うのですが、真逆にいるように思えました。
ネガティブなのかポジティブなのかもわからない、奇妙な状態です。
それでも、撮れた写真は好きなものとなっていました。


2023年11月の後半、そんな葛藤未満の疑問を自分の中に抱えながら、撮影に臨みました。
この日は天気が安定しておらず、雨が降ったり止んだり・・・
新郎新婦のストレスの部分も気になりますし、自然光だけで撮影するので光の変化が激しいことは不安要素の一つでした。
しかしなぜか外に出る時は雨が止む幸運に恵まれ、最後の方の撮影では太陽が出ながらも小雨が降るという奇跡に遭遇してしまいました。
新郎のお人柄には何度か触れることがあったのですが、自分自身そうした神がかりを目の前にして、当たり前なのですが写真にはその人が写るのだと気づきました。そして撮影者である自分は器のような存在でしかないのだと腑に落ちました。同時に、毎回写真の質が変わることにも納得がいきました。
相手を写すということはそういうことなのだと。そして自分にはそれしかできず、善い器であるための努力しかできないと今では思っています。


終わりに、お仕事をお待ちしております。
写真を撮ることは、今のところ自分が生きる上で欠かせないことです。
日々の日常を写真に収めることもかけがえがなく、また新たな門出や節目を写すこともかけがえのないものです。
趣味と冒頭に書きましたが、責任を持たないという意味ではなく、趣味だからこそ積極的に責任を持っていきたいと思っています。
そしてこんな自分ですが、もっと多くの写真が撮りたいと思っています。
今回はウェディングを中心に紹介しましたが、プロフィールや遺影といったポートレートから、ウェブメディアやコーポレートサイトの写真までいくつものご縁の中で写真を撮影させていただくたび、自分が未知の領域が開かれていくことを感じています。スタイルとしてはどれも基本的には変わらないのですが、もし写真を撮って欲しいと思っていただけたなら、いつでも連絡いただけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。


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デザインや教育の会社もやっています。


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