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一番大切なのは動機を磨くこと 〜まちづくりを続けていくために〜

住んでいる地域でマルシェやレンタルスペースを運営しています。マルシェは5年、スペースは2年目。立ち上げ期はすぎ、続けていく段階です。

そこでまちづくりのプロジェクトの持続可能性について、今の考えをまとめます。

(個人や小規模団体が行う地域のまちづくりのお話と思って聞いてください。)

辞めても大丈夫

まちづくりの活動を始めよう、創業しようという講座はたくさんあります。公的機関が関わっているケースがほとんどです。

一方、どう続けていくかという講座は聞きません。自分でやっていない人は続ける苦労が想像しにくいのでしょうし、続けることをサポートしても彼らの成果にならないのかもしれません。

まず前提として辞めても大丈夫です。

試みただけで一定の影響は発生しています。そして辞めても必ず違う形で続いていきます。観葉植物と同じです。一つの葉を切ってしばらくすると違う所から新しい枝葉が生まれてきます。

私も店長を勤めた店が閉店した時、悲しみましたが、起業のきっかけになりました。終わることはネガティブばかりではありません。

でも、続けたい気持ちもありますよね。社会課題はまだ解決しないし、今の活動を必要としてくれる人がいる。積み重ねた信頼関係が目の前にあり、そのために頑張ってきた自分と仲間達がいます。そこで、いかに続けられるかを考えるわけです。

動機を磨くことが大事

・具体的な対処に追われがち


持続可能性を考えるとき、一番大事なのは動機を磨くことだと思います。最近まで資金が一番肝な気がしていましたが考えが変化しました。

理由として、やり始めて現実的な対処が増えると簡単に動機を見失います。飽きや疲れ、具体のオペレーションに心の面積を取られます。なぜやっているの?という根本を考える時間が減ります。

・最初の動機がそもそも曖昧

あとは、そもそも動機が曖昧なまま始めることも多いです。例えば、人の居場所をつくる、商店街を賑やかにする、子どもに体験を増やす、といった言葉です。動き出しはそれでいいのですが、時間がたつとやがて自分の首を締めます。
なぜなら目的を達成したのか一向にわからないからです。なんとなくできている、できていないという話が続くと、モヤっとしてやる気を失います。

そのためにも、実際にやりながら情熱の根源にある動機を見つめ直すことが重要です。

・経験を積んで気付きを生かす

逆にやってみたからわかることがあります。立ち上げて経験を積みはじめると気付きが増えます。現実を知り課題が見えてきます。社会問題だと思っていたことの認識そのものが変化するかも知れません。そういった発見を生かすためにも、定期的に立ち返ることが必要です。

・傷つかないように自分を守る

また、動機がしっかり認識できると自分を守ることにも繋がります。

社会課題の裏には人の無関心や社会の構造的問題があります。我こそはなんとかしよう、と奮起すれば、利用されたり出る杭として打たれたりします。どこの人間界も一緒で、冷ややかさ、妬みややっかみもあります。

そういった棘がチクチクと心を刺してくるので、純粋な動機ならばこそしっかり守りたいです。

・共感のレベルを深くする

さらに、動機を磨くと共感する人が増えます。共感にもレベルがあります。ふわっとした共感をしてくれる人はいても、一緒に時間やお金をかけて協力する人は限定されます。動機を磨き強く伝えられるようになると、共感のレベルが深くなる気がします。

私も今、マルシェをやる動機を見直しています。デザイナーさんと話しているんですが、とっくに説明した気でいたけど、もっと広く人に伝えるために違う言葉を選ぶべきだと知りました。

以上の理由から、持続性を高めるには、まず動機の部分を繰り返し見つめ表現をすることが大事だと考えています。

導いたり対話したりできる相手を見つかると理想的


ただ具体的なやり方については模索中。

飲みながら語る人もいれば、焚き火をする人もいれば、コーチングやメンターをつける人もいます。自分で書くこともよいと思います。

ワークショップもいいですが、浅い話で物足りないこともあります。

そもそも、根っこにある動機は過去の痛みと繋がっている事が多いです。自分が辛かった経験があるから、こうしたい、と動きだしますが、自己開示や自己理解が辛くて踏み込めず、表面的な綺麗事をなでるだけになる。
痛みがあるからこそ頑張るけど、痛みがあるこそブロックがかかる。

内面の深い所を整理するにはこのような怖さがつきまといます。ですので、小手指で考えず、理解をもってきちんと導けたり、深いレベルで対話ができたりする師匠や相手を見つけられたら理想的です。

では、次に、お金のことを考えてみたいと思います。後半につづく。

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