竪穴の悩みをカエルが解決してくれた話
今年の5月の終わり。栃の木の葉の間から穂状の花が現れ始めた頃、あつまれどうぶつの森の中の「じょーも島」では秋の終わりを迎えようとしていた。そう、じょーも島は南半球なのである。そんな春の終わりと秋の終わりを同時に感じながら、ひとり悩んでいたことがあった。
「竪穴が問題なんだ」
僕は前回、じょーも島に歴史博物館をつくった話を書いた。歴史資料館が完成した時期もちょうどこの頃であったが、なんかモヤモヤした気持ちが続いていた。やはり縄文を目指す島としては資料館建設よりも大事な縄文要素「竪穴式住居」が必要でないのかと。その頃のじょーも島は発掘現場や古墳はあったものの竪穴式住居は未完成だったのだ。
「竪穴式住居のない縄文?古墳のない古墳時代みたいだね~」なんて弥生人にも小馬鹿にされるのが嫌だった。だから、ここは縄文好き代表として竪穴問題を解決するしかないと奮い立ったのである。
「よしやるか~!」縄文人がスクレイパーを握るかのように、僕はスイッチを両手で強く握りしめたのであった。
あつ森での竪穴問題
一般的なイメージで言えば、博物館よりプリミティブな竪穴式住居の方が作りやすいと思うのは当然だと思う。見た目だけならコンモリ土を盛って穴を付けるだけで竪穴式住居だ。粘土ならたぶん3秒でできる。
ただ「あつ森」はゲームの仕様なのだが、屋外では空間の上に物が置けないようになっている。穴は掘れるが天井は付けられない。ようするに屋根が付けられないのである。これはどうにも仕方がない。できないものはできないのだ。
本物の竪穴式住居をつくった話
あつ森から少し逸れるが、ちょうど一年前に、爪楊枝を使って竪穴式住居ならぬ竪穴盆栽を作っていた。やはりその時も、縄文愛を語るのならば竪穴の一戸ぐらい作らなきゃだめだろうと歪んだ使命感を感じていたからだ。
作り方はこうだ。まず生活スペースのくぼみを作り、大まかに住居の枠組みを作る。そこから屋根を支える柱を放射状に組み上げる。
あとは藁などを覆い完成である。この時は盆栽なので苔を被せた。
外側のシンプルさのわりに内側はしっかりと考えられてできている。それが竪穴式だ。非常におしゃれなのだ。現に「TATEANA」は可愛い女子にもとってもよく似合う。
竪穴を作って嬉しい出来事もあった。下の写真をよく見てほしい。
庭のカエルがお気に召したようで住人になってくれたのだ。竪穴式盆栽が本物の竪穴式住居になった瞬間であった。
「竪穴感」を横穴で試す
あつ森に話を戻す。まず屋根がないことを前提としての「竪穴感」を考えてみた。ここで言う竪穴感とは、穴に入る感覚、狭い所を通り広い空間に抜ける感覚と定義した。
そこで細い横穴までのアプローチを作り、横穴に入ると視界が広がる構造物を作った。「竪穴」っておしゃれだなと思っていたのでカフェ風にしてみた。これは自信のなさの表れでもあるが「cafe穴」という看板もこしらえた。
どうだろう?自分でも言うのもなんだが「竪穴感」は感じられた。かなり強引ではあったが「竪穴ぽい」ものが「じょーも島」にできたことに安堵した。これで弥生人に馬鹿にされなくて済むと。
それが6月初めの事であった。(じょーも島では12月)
竪穴のひらめき
竪穴カフェを作ったはいいもの、実はまだ悩んでいた。そりゃそうだよね。竪穴でなく横穴だし住居ですらないのだから。大体なんだよ「竪穴感」って。気が付けば8月にに突入していた。
庭に放置してあった竪穴盆栽には今年の新しい住人が住みついていた。それとも昨年住んでいたやつなのか?せっかくなんで名前をあつ森内にでてくる灰色のカエルからとって「ガチャ」と名付けることにした。
ガチャはなんかこちらを意識していた。写真からもわかるように何か言いたげな表情であった。そして口をパクパク。
あれ?なんか喋った!?喋ったよね!
いや、そんな気がしたのである。その瞬間、このコロナ禍において何の役にも立たない、どうでもよい閃きが舞い降りてきた。
あつ森の竪穴式住居は人サイズで考えていたのだが、カエル竪穴のように小さいサイズに作ればいいよねとガチャが教えてくれたのであった。
あつ森の竪穴式住居
早速スイッチを起動して作ったのがコチラ。「ノームの竪穴式住居」。
もう横穴とは言わせない、住民がいないとは言わせない。「これが、じょーも島の竪穴じゃー!」とサラリーマン金太郎が叫ぶテンションでスイッチを突き上げたのでした。
凄く期待させておいた割に、わりと残念な感じな竪穴式住居だと思いますが、僕的には大革命だったのである。ポイントですが「まるたガーデンベッド」を竪穴の入口に見立てるだけである。
以上が、あつ森の竪穴の悩みをカエルが解決してくれた話である。
さいごに
今回、カエルから竪穴のヒントを頂いたのだが、きっと縄文時代も、カエルをはじめとした動物たちにライフハックを学んでいたのでは思う。また同時にどうでもよい閃きも思いついていたようにも感じる。ヘンテコな縄文遺物を見るたびにそう思うのだが、きっとそれも意味があるのだろう。じょーも島の竪穴式住居のように。
ちなみに竪穴式住居に住みたいかと聞かれれば住みたくありません。以前、竪穴の中で土器で縄文汁を作った体験をしたのだが、煙が目に入って涙が止まらないのだ。竪穴式住居に住みたい方は煙耐性が必須ですよ。
さいごに、煙いけど光が差し込んだ竪穴の中はとっても綺麗だった。そう、竪穴はやっぱりおしゃれなのだ。
ご興味を持ってくれた方、夢見で島訪問、twitterであつ森アカウント、インスタグラムで土偶アカウントやっているのでご覧くださいませ。
夢番地:DA-5859-4126-3252
Twitter:@jomojomo
Instagram::@fukutayo
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?