(不幸の)手紙

親愛なる(笑)ヒロイン子ちゃん

結局お返事はくれませんでしたね。
ずっと待ってたのに。

形だけでも謝る気はないと知って、がっかりしました。
でも、安心しました。
あなたが復讐するに相応しいクズって確認できましたから。

承認欲求のかたまりのようなあなた。
フォロワーは増えましたか？
困っていることはありませんか？

さっさと油断して鍵を開けてください。
また「思い」のこもったメッセージを送ってあげますから。

わたしに旦那さんの顔を知られていることは怖くありませんか？
あなたのアカウントを非公開にしたところで、旦那さんのアカウントからいろいろ筒抜けですが、その点は大丈夫でしょうか？

あなたの顔は覚えました。思ってたより美人じゃないんですね。
それとも元々こんなもんだったでしょうか？
それなのによくもまあ、わたしの容姿をけなしてくれたものです。

あなたはわたしの現在の姿を知りませんね。
怖くないですか？
近くにいても気づかないかもしれませんよ？

あなたの実家の住所は当然知っています。
吐き気がすることに、幼なじみですから。
それを怖いとは思いませんか？

あなたが通報した通り、わたしは精神に問題がありそうな人間です。
そんなわたしに実家を知られているというのは、家族の命運を握られているということですよ？
気づいてないのかな？
それとも自分が幸せならどうでも良いですか？

あまりメッセージを送りすぎると、手段が減っていきそうなので、今はすこし我慢のときです。
けれど、いつでも、あなたのことを考えています。

どうやって、こいつを不幸にしてやろうか、と。

わたしはいつだって、あなたの不幸を願っている。
わたしは、あなたを呪っている。

藁人形を釘で打ったり、生贄を捧げて悪魔を呼んだりはしないけれど。
形式なんて、儀式なんて、意味がないと思うから。

スピリチュアルとエセ科学にハマるお馬鹿さん。
あなたを呪う人間がいることは、怖くありませんか？

きっとあなたなら、わたし以外の人間からも呪われているでしょう。
人を一方的に傷つけたくせに、お咎めなしで野放しにされた人間。
きっと他者をないがしろにして、そのことに気づきもせず、生きてきたでしょうから。

あなたは「念」なんて、「縁起」なんて、形のないものを信じるという。
どうかわたしの「思い」があなたに不幸を届けますように。

もちろん、それだけで終わらせるつもりはないけれど。
わたし、目に見えないものは信じないタチだから。
この呪いの「形」をきっと見せてあげましょう。

ありったけの呪いをこめて
復讐ちゃん