#302 被災当時を振り返って
令和6年能登半島地震により被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
私は東日本大震災によって被災しました。
自宅のライフラインは全て止まりました。
幸い電気はすぐ復活しましたが、水やガスはダメでした。
自衛隊が公民館に毎日届けにくる水を補給し、トイレは近隣住民と近場のホールで共同で使用しておりました。
毎日続く余震と、ラジオから流れる沿岸部の惨状、ネットから流れる真意不明の情報などにより、不安でたまらない日々を過ごしました。
当然、周りもなんと声をかけたら良いかわからない状況でした。
初めて直面する事態に、「なんとかなる」という人は誰もおりませんでした。
明日が怖くて仕方ありませんでした。
10年以上経った現在は、将来に向けてどれだけ豊かな毎日を過ごせるだろうと思案できるような状態になりました。
当時を振り返ると、まるで考えられないことです。
私は震災で一度命を亡くしたと思って生きています。生まれ変わる機会をいただいたと考えています。そう思えています。
だから、二度目の人生、今をどう豊かに過ごすかを考えて、後悔しない道を常に選んできました。
なぜなら、いつ本当に死ぬか分からないから。発想そのものが変わりました。
人生何が転機になるかわかりません。
人生、底の底まで落ちた方が、人として深くなれる。
やさしくなれる。大事なことに気づける。
だから、今のままでいい。
後になってわかってくることがたくさんあります。
大事なことは記録しなくても記憶されるので、だいじょうぶです。
一日でも早く心身共に穏やかな日々を過ごすことができるよう、心より祈ります。
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