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ノア(トヨタ)の車椅子固定位置についての気づき

 福祉タクシーを開業して約半年、まだまだお客様は少ないですがそれでもいろいろなご不自由を抱えるご利用者様を経験させていただいております。車椅子、リクライニング車椅子、ストレッチャーに加え、歩行可能だが片麻痺の方などです。ノア(5ナンバーベース)はこのような様々なご利用者様に対応でき、また車体も大きすぎず小回りが(それなりに)利きます。ただ一方で少し不便を感じていることがあります。所属する日本福祉タクシー協会に相談しましたが初めて聞いた内容ということで、同業者はうまく工夫されているのかと思いを巡らせています。内容を申しますと…
(以下、敬称を省きます。)

 2列目の左側に車椅子スペースがあり右側にシートがあります。実はこれになかなか不便を感じています。2列目シート(右側)には家族など同乗者(車椅子やストレッチャー利用者の)や、または歩行可能だが不安を抱える方が座られます。◆左側から乗車される際は車道から結構な高さがあり段差解消ステップが必要です。車椅子ウィンチが床下にあるためかノーマル車よりも床面が高いはずです。また車内に乗り込んでから2列目または3列目シートに行くまでに手すりが少ないとご指摘をいただきました。床面に段差や傾斜があります。シートまで距離がありますし背の高い方は身体を屈めるので不安定になります。もちろん着席までサポートいたしますが利用者の不安の一つになっています。◆ではシートに近い右側から乗車するとなると車道側なので大変危険です。つまりですね…

 2列目シートは左側に配置し、車椅子は右側に固定するのが理想的なのではないかと思いました。これで利用者や同乗者は左側の乗降が可能です。車椅子やストレッチャーはリアのスロープから乗降しますから右側スライドドアは運転手が車椅子等を固定する作業のためだけに利用します。リスクは激減しますよね! ではどうするか…

 これは実際に運行を開始するまで気づかなかったので事前にどうすることもできませんでした。つまりウェルキャブ仕様への改修前に事前注文することは考え付かなかったわけです。では注文できるのか?をトヨタのハートフルプラザ神戸さんに伺って聞いてみました。答えは「できない」でした。理由は明確で、左側に車椅子を固定するのは運転手が車椅子利用の家族の様子が確認できやすいようにするためということです。少し予想していたので納得はできました。ご家族のために福祉車両を利用される場合は不自由ないでしょうし、部品供給面でも統一された方が効率的ですね。仕方ないか…

 車椅子固定を右側にすることを強く要望することはしませんが、恐らく(そうすることの)メリットは(特に福祉タクシーにおいては)大きいと思います。◆運転席の後ろが一番安全、◆様子を見るのはミラーでも可能、◆運転手自らが介助する時は結局一旦降車する、◆2列目シートが左側になり乗降しやすくなる(はず)...くらいでしょうか。一方デメリットは◆左側から乗車される際に3列目には行きづらくなりますが、それは2列目シートをスライドさせれば動線は確保できるので大きな問題ではないでしょう。

 もっと多くの事例を経験することでより良い答えが見つかるかも知れませんが、現時点での気づきは上記の通りです。より安全・安心・スムーズな移動ができれば良いなぁと思う次第です。ご精読感謝いたします。

※よろしければご意見をいただきたく思います。

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