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サツマイモ1500㎏、サツマイモの日

準備が大事

芋焼酎の1次仕込みは米と種麹から米麹を作ります。
芋焼酎なのに米?と思う方もいらっしゃると思います。
そうです300㎏のお米に対して1.2倍の仕込み水、360ℓと酵母で1次仕込みです。お米の品質、蒸し方で焼酎の酒質が決まります。
その後1次仕込みの発酵に約5日間。
2次仕込み水、2次原料のサツマイモ追加。
2次仕込みの発酵は約1週間程。
その後蒸留。
熟成。の工程になります。どの本を開いても芋焼酎造りは、このような内容で表記されてます。
芋焼酎造りのアウトラインの知識を持って蔵に入り、現場の仕事に携わってみて思うところがあります。

原料を選んだり、作ったりするのはスポーツでいうところの準備運動、日頃の練習の位置づけだと思います。普段の練習でハードワークして、試合当日は入念にウォーミングアップ。
つまりは、試合までの準備が試合結果に大きく影響すると言うことです。
もちろん、お米の蒸し方、温度の変化に対する対応、蒸留、熟成技術はありますが準備がうまくいってこその話。
試合までの準備、そして試合中の変化に対応していく。
これは焼酎造りでも同じことが言えるように感じています。

2次仕込みにサツマイモ

2次原料のサツマイモはお米1に対して5投入します。
1800キロです。とてつもない量です。投入する日は朝からこのサツマイモの洗い、選別の仕事があります。しかも時間をかけずにスピーディーに行います。ここで時間をかけるとサツマイモが痛んでしまうのと、次のサツマイモを蒸す工程、1次仕込みと合わせる時間が遅れてしまいます。

先日、この1500キロという量のサツマイモの収穫に畑に出ました。

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その日は2500キロ程収穫したので約2仕込み分ですが、朝から昼過ぎまでかかります。
炎天下の中、大人3人が給水をしながらもずーっと稼働し、収穫したサツマイモをトラックに乗せて運搬する時には2人追加で一気に運ぶ仕事を繰り返します。
ひと仕込みの収穫がこんなに大変だとは思わなかった。
このひと仕込みにかける仕事量、努力は相当なものだと痛感しました。
僕は1日だけでしたが、これを毎日するスタッフを思うと、まだまだ自分の力は足りないと感じました。
収穫は身体的にはきついですが、土にまみれ日光を浴びることにより心や精神面は浄化された気がします。太陽や大地の力はすごいです。そして何より焼酎造りを前よりも身をもって理解できたことに喜びを感じました。

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ご飯もいつもより美味しく感じました。外で食べるのも気持ちいいですね。

2次仕込み

収穫した芋を洗浄し、蒸して急冷した後に1cm弱に粉砕して1次仕込みに投入。2次仕込み水も加わるので仕込み自体の量がかなり増えます。この時点で2500キロほど。
サツマイモを加えることにより、発酵の勢いが増し、アルコールの香り、サツマイモの甘い、焼酎の良い香りが日毎にましていきます。
芋の品種により2次仕込みの色は様々です。濃厚な黄色や白にも近いような、サツマイモの色。これから別の品種の芋を見るのが楽しみです。
現場に入る時はいつも、ほとんど同じタイムスケジュールで進んでいきます。少しづつですが今まで感じなかった微妙な変化、違いに気づくようになりました。まだまだですが、1日1日、毎時間、毎分を積み重ねて芋焼酎を造れる喜びを感じたいと思います。

余談ですが、今年の4月、5月の島旅でサツマイモの神社2社を回ることができました。鹿児島の指宿にも前田利右衛門さんの神社があります。そこも参拝させていただきました。サツマイモはこの薩摩、鹿児島を支えてきてくれた食物と言っても過言ではありません。今年は3つのサツマイモの神社に行くことができたり、収穫できたり、仕込みができたりと嬉しい限りです。
先日10月13日が誕生日でしたが、この日はなんとサツマイモの日らしいです笑 こうなる運命でしたか、いやー嬉しいなぁ。先人に感謝です。


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