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梟訳今鏡

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わかりやすく楽しんで読める現代語訳今鏡
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2022年12月の記事一覧

梟訳今鏡(2)  すべらぎの上 第一     雲井、子の日

梟訳今鏡(2) すべらぎの上 第一 雲井、子の日

※わかりやすく、楽しんで読めるように訳してあるので、原典に完全に即した現代語訳ではありません。

雲井

後一条天皇は一条院の第二皇子でいらっしゃいます。御母君は上東門院彰子様。当時は中宮と申しておられたお方ですよ。
この彰子様はあの藤原道長様の長女です。

さて、この天皇は寛弘5年9月11日にお産まれになり、同年10月16日に親王宣下されまして、寛弘8年6月13日に御年4歳で東宮にお立ちになられ

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梟訳今鏡(1)  序文

梟訳今鏡(1) 序文

※わかりやすく、楽しんで読めるように訳してあるので、原典に完全に即した現代語訳ではありません。

序文

3月10日頃のことです。同じように仏教信仰に篤い友人を何人か誘って、初瀬にある長谷寺に詣でました。
そのついでに、良い機会だからといって他の寺も巡ろうということになって、数日かけて大和の方へ旅歩きをしていたのですが、なかなか道のりの遠いこと。
その上お日様も照って暑いのなんの。

そうしている

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梟訳今鏡(序)

梟訳今鏡(序)

今鏡は「四鏡」として大鏡や増鏡と共に並び称される歴史物語です。1170年頃に成立したとされ、後一条天皇から高倉天皇までの13代、146年(序文には143年とある)の歴史を大鏡の構成を踏襲してえがいています。

その特徴としては芸能記事(特に和歌)を多く含んでいることが挙げられます。また、末法の世が到来し、絶望的な時代であったにも関わらず、全体的に前向きで、悲観的な記事がほとんど見られないところなど

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