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「日本再興戦略」を読んで 10 「ものづくり」へのリスペクト

拝金主義を脱するためにも、文化の育て方は欧州に学ぶべきです。
もともと日本は欧州から学んだ社会体制を持っていて、文化の価値を良く分かっていました。

欧州ではアーティストや博士はとても尊敬されています。
それは社会に価値を生み出しているからです。

アーティストとは、人類が今まで蓄積してきた美の最大到達点をさらに更新しようとしている人たちです。
博士というのは、人類がそれまで蓄積してきた知の領域をほんの少しだけ外に広げる人たちです。
だから社会的価値がとても高いのですが、日本ではそうした認識がありません。

日本が学ぶべきは江戸以前の文化です。
日本人は文化価値や職人芸を認める伝統があります。
そこにお金と言う尺度はなかったはずなのに。いつの間にか拝金主義が入ってきました。

今の日本では職人に対するリスペクトがあまりに少ない。
職人の年収が300万円と聞いたら、職人にならない人が多いでしょう。
しかし、例えば地方の農村であれば、年収300万円でも十分に暮らせるのだから、もし自分が好きなのであれば、胸を張って職人になればいいのです。

現代において、自分の信じる道を究めるのは、自分の中に価値が醸成されるのでいい選択肢です。それなのに年収だけを見て「なんで職人になるの?なんで博士になるの?何の意味があるの?」と言う人があまりに多い。
最近、生涯学習という言葉が流行りですが、拝金主義の今のままでは博士課程に入りなおそうという人はなかなか出てきません。

拝金主義を撲滅するためにも、ちゃんと、金融崇拝の人たちを
「お金だけの軸で考えてはいけない」
と律するような社会をつくりまくるしかありません。
年収でモノを考えてたら、社会の富や価値は多様性を持ちえないし、これから先あまり増えないことを思い知らせる必要があるのです。

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